« July 2004 | Main | September 2004 »

2004.08.29

音楽ライター「徳永伸一郎」の最近の仕事について(押尾コータローインタビュー、竹之内美穂CDライナーノートなど)

最近世に出たものについて。

■現代ギター9月号
連載「アコギな仲間達~Acuostic Guitar Guys」にてギタリスト押尾コータローさんにインタビュー。LAGQ来日公演レビュー。CDレビューは久々にお休み。

押尾さん、いい人でした!まあ音楽ってのは人間性が如実に現れるもので、「音楽は最高だが会ってみたらやなやつだった」なんてこともあまりないだろうけど(ちょっと自慢すると、過去にインタビューしたラルフ・タウナーさん、マーチン・テイラーさんも素晴らしくいい人でした)。それにしてもこれほど謙虚な方だったとは。誌面からも伝わると思いますが、実はもっと謙遜された発言もたくさんされてます。

それと、押尾さんが中川イサト、マイケル・ヘッジス、タック・アンドレスといったギタリスト達からの影響についてこれほどストレートに語ったインタビューってこれまであまりなかったのでは。レコード会社の戦略でそういう発言は控えているのかも、などと多少疑っていましたが邪推でした。これを読めば「押尾氏はヘッジスの真似」なんてよく聴きもしないで揶揄するのがバカらしいことだとわかるでしょう。本人が影響を認めた上で、いかにそこから自分の個性を発揮していくか、ということを考えてるんだから。奏法を取り入れるという意味での「真似」すら否定するなら、クラシックや伝統音楽はどうなるんだっちゅーの。

LAGQのレビューはやや辛口です。ま、あれだけ実力がある人たちですからね。

■竹之内美穂さんのCD「Ano Zero」ライナーノート
鹿児島在住のクラシックギタリスト、竹之内美穂さんのデビューアルバムのライナーノートを書きました。演奏もさることながら、選曲・編曲からジャケットにいたるまで非常にセンスのいいアルバムだと思います。

それと録音のクオリティが最高。渋谷HMVでは試聴機に入っていたので、機会があれば聴いてみてください。時間があればメジャーレーベルのCDとの聴き較べを是非。ライナーノート中にも書いたけど、エンジニアのタッド・ガーフィンクルさんのお仕事は本当に素晴らしいです。CD制作というのは、"少数精鋭"でやった方が効率が良い面もあります。タッドさんは実はレーベルオーナーでもあり、ご自身で何役もこなすことによってコストを節減しているようです。以前インタビューしたsaigenjiさんも、メジャーレーベルでやるよりインディーズで時間をかけて丁寧に作った方がいいものができるはず、と確信しておられるようでした(彼ぐらい人気があれば絶対誘いはあったはず)。

「メジャー=金がかかっている→クオリティが高いはず」という固定観念はとりあえず捨てましょう。

| | Comments (16) | TrackBack (0)

2004.08.22

あまりにカッコいいボンデージフルーツの演奏、特に鬼怒無月のギターに思わず身震い

してしまいました。いまさらながら。初台DOORSからの帰宅途上にてケータイより。

先日のERA(vln壷井彰久とのduoユニット)もよかったがこの日も素晴らしかった。レコーディング直前ということで、演奏されたのはおそらく全て新譜収録曲。

プログレ的変拍子はもちろん、ミニマルミュージック的要素も民族音楽的なポリリズムも、そしてカントリーミュージックっぽい速弾きリフですら、必然性を持って融合しているのだ。すべては「カッコイイ音楽」のために。
(続く)

続き。
10数年前、鬼怒さんの演奏を初めて見たとき鬼怒さんはまだプロではなかったが、テクニックはすでに凄まじいレベルに達しており、「すげえ、ひょっとしてこんな人でもなかなかプロになれにほど世の中って厳しいものだろうか」とビビったものだ。

まあ実際のところ世の中はそこまで厳しくはなくて(なんせ僕ですらライターの仕事がもらえるくらいだ!)、鬼怒さんはほどなくしてプロ活動を開始され、今やもっとも注目されるギタリストの一人となった。

鬼怒さんのなにが凄いって、生み出している作品の量と質。ここ数年、ボンデージフルーツ、COIL、WAREHOUSEという3つのリーダーバンド、さらにデュオユニットERAを並行して走らせ、CDも発表している。それぞれが明確な異なるコンセプトを持ち、クオリティもオリジナリティも半端じゃないのだ。さらに梅津和時KIKI BAND、吉田達也の是巨人、清水一登のオパビニアといったバンドにもレギュラー参加しているしギターソロのCDも出したし喜多直毅らとの「POST TANGO」プロジェクトも始めたし・・・いったい鬼怒さんの頭の中はどうなっているのだろう。こんなギタリスト、世界的に見てもちょっといないと思うのだけど、みんな気付いているんだろうか。

振り返ればライブハウスに足繁く通い始めた二十歳前後の頃は目の前で見るプロの演奏に「すげー!」の連続だった。鬼怒さんもそんな中で出会ったギタリストの一人。人間慣れというのは恐ろしいもので、素人目には超人的なテクニックもだんだん普通に思えてくる。それでも今なお、10代の頃のような「すげー!」を感じさせてくれる鬼怒さんのギターは本当にステキだ。

現代ギター連載「アコギな仲間達~Acoustic Guitar Guys」の写真を担当しているUGAさんに「鬼怒さんの写真がカッコいいって評判ですよ」と伝えたところ、「違うよ、鬼怒さんがカッコイイんだよ!」と謙遜しておられましたが、お気持ちはよーくわかります。

| | Comments (1) | TrackBack (0)

2004.08.16

ライブ・公演情報(梅津和時、tsumazuki no ishi、太田恵資、喜多直毅、鬼怒無月、内橋和久他)

8月16日
梅津和時sax謎めいたセッション 太田恵資vln、ナスノミツルb、外山明ds@新宿ピットイン
COIL@江古田バディ

8月17・18・20・21日
吉田美奈子@六本木STB139
 ■前売りチケットはたぶん完売。

8月18日(水)~22日(日)
tsumazuki no ishi「寝覚町の旦那のオモチャ」@下北沢スズナリ
 ■超個性派俳優として評価の高い寺十(じつなし)悟さんのユニット。

8月18日
太田恵資(vln)/谷川賢作(pf)/喜多直毅(vln)@大塚グレコ

8月19日
Era(鬼怒無月+壷井彰久)ゲスト:佐藤芳明accd, David Cross(vln)@新宿ピットイン
 ■元キング・クリムゾンDavidCross氏のゲスト参加が急遽決定!

8月21日
内橋和久×清水一登×外山明、勝井祐二×吉田達也×砂十島NANI@六本木スーパーデラックス
ポチャ・カイテ・マルコ、KBB ゲスト:鬼怒無月g、金澤美也子p@江古田バディ

8月25日
仙道さおり(perc)/西嶋徹(bass)/喜多直毅(vln)@大宮JAM
大萩康司(g)@トッパンホール
 ■前売りチケットは完売。当日券の有無は問い合わせを。

8月27日(金)
南博(p)バードン木村(ダブ)@大泉学園inF
喜多直毅(vln)/津山知子(pf)タンゴデュオ★@赤坂November11th

8月28日
喜多直毅(vln)/黒田京子(pf)/クリストファ・ハーディ(perc)★@新橋サムディ
 ■注目の初組み合わせ。

8月29日
YOKOHAMA本牧ジャズ祭(小沼ようすけスペシャルカルテット他)
 ■小沼ようすけさんと村上ポンタさん(ds)初共演。

8月30日
さかな(レコ発)@吉祥寺マンダラ2

9月1日
DATE COURSE PANTAGON ROYAL GARDEN他@恵比寿リキッドルーム

| | Comments (4) | TrackBack (0)

常に全力投球し前進を続ける鬼怒無月のミュージシャン魂に痺れた

15日、桜木町ドルフィーにてERA(鬼怒無月g&壷井彰久vln)のライブ。

なんというか、またしても圧倒されました。アテネも熱いが横浜も熱かった。
(続く)

| | Comments (7) | TrackBack (0)

2004.08.14

燐光群「私たちの戦争」の名古屋公演の共催取り消し問題と横浜美術館の高嶺格作品展示中止に注目

東京公演を終えて大阪・名古屋を巡演中の燐光群「私たちの戦争」が名古屋市の共催を取り消された件、当の燐光群側の対応がきわめて冷静なこともあり、「ひでー話だな」ぐらいに思ってましたが、考えてみると重たい事件ですね。共催を決める時点で内容も検討しただろうに、公演直前に取り消すというのは。どういう過程を経て決定されたのか、明らかにしてもらいたいところです。

で、もうひとつ注目したいのは横浜美術館の展示中止問題。詳細は燐光群の記事にトラックバックしてもらったfringe blogで知りました(fringe blog当該記事へのリンク)。障害者に関わるこういった問題に対しては、将来医療に従事する皆さん(注:一応このblog、うちの学生が読んでくれることを想定して書いてますので)こそ関心を持つべきでしょう。

高嶺格作品公開中止は残念ですが、この「ノンセクト・ラディカル」展自体面白そうなので、パフォーミングアートではないけど特にお薦めしておきます。9/5まで横浜美術館にて。

| | Comments (301) | TrackBack (0)

2004.08.09

hiroの新譜「ココドール」を聴きながらCCCD問題について考える

hiroってあの元SPEEDのhiroである。ついにこのblogでアイドルについて語る日がやってきた!
いいのか!?


いーのだ。
なぜならこれはれっきとしたジャズアルバムなのだから。
(続く)

| | Comments (17) | TrackBack (0)

斎藤和志をソリストに迎えてモーツァルトのフルート協奏曲を演奏したお茶の水OBオーケストラにアマオケの理想像を見た

8月1日、目黒パーシモンホールにて、お茶の水OBオーケストラの演奏会を聴く。

「お茶の水OBオーケストラ」というのは、東京医科歯科大とお茶の水女子大による合同オーケストラである「お茶の水管弦楽団」の出身者からなるオーケストラである。
(続く)

続き。
お茶の水OBオーケストラの演奏会を聴きに行くのは2回目。前回はギタリスト河野智美さんがロドリーゴ「アランフェス協奏曲」を演奏した際聴きに行った。アマオケで協奏曲をやること自体、わりと珍しいと思うのだけど、ギター協奏曲となると本当に貴重。「アマオケでアランフェス」という興味が先にあって、実はうちの大学のOBオケだったというのは偶然なのだ。

そして今回は斎藤和志さんをソリストに迎えたモーツァルト。斎藤和志さんといえば、知る人ぞ知る実力者である。単にコンクール入賞歴が豊富だとかオケの首席奏者として活躍されている、というだけではない。現代音楽の分野でも芸大の先輩である木ノ脇道元さんと並んで若手筆頭格だ。

問題は、そういう実力者でも協奏曲のソリストを務める機会は非常に少ないということ。斎藤さんはクラシック業界内やフルート愛好家の間では有名だけど、一般的な知名度はあまり高くないだろう。僕だって知人に教えてもらわなかったら特に注目はしていなかったかもしれない。協奏曲のソリストというのはそのコンサートの一つの"看板"であり、商業的なコンサートでは知名度も重要になる。これはまさにアマオケならではの企画なのだ。

演奏については偉そうに批評できる立場ではないけど、「なんて美しいフルートの音色だろう」そしてなにより「なんて美しいモーツァルトだろう」と心から思ったことだけは述べておく。ここまでのライブレポートをある程度読んだ人ならおわかりだろうが、僕は普段モーツァルトを聴いて素直に感動するような人間じゃないのだ!

アランフェスも嬉しかったが、今回の企画・人選にはあらためて最大級の賛辞と謝辞を贈りたい。プロによる演奏会ですら、演奏者の自己満足になっていると感じることがある。アマチュアは演奏そのものを楽しめればいいのかもしれない。でもアマチュアで非営利だからこそ実現し得ることというのもあって、彼らはそれを見事にやってのけたのだ。素晴らしい。

ちなみにこの日のメインは後半のブラームスだったから、あまり協奏曲のことばかり褒めるのは失礼なのかもしれない。でも、こういうセンスを持った人たちのブラームスだからこそ聴いてみたいじゃないですか。もちろん、とても心地よく聴けました。出演者の多くは社会人で、特に医科歯科のOBは医療に携わる方々である。激務の合間を縫って練習を積まれてきたことも尊敬します。お疲れ様でした。また聴きに行きます。


蛇足ながら、もし「アランフェス」をはじめギター協奏曲をやってみたいけど有名プロに頼むのは気が引けるしギャラも高そう、でも無名な人だと実力が不安、というアマオケ関係者の方がおられたら喜んで相談に乗りますのでぜひご連絡ください(メールアドレスはプロフィール欄にあります)。

| | Comments (0) | TrackBack (1)

2004.08.04

絶品の"鯖の梅煮"と極上の地酒と黒田京子のピアノと喜多直毅のバイオリンを一度に味わうという贅沢

大泉学園inFよりリアルタイム投稿。

鯖と梅干しの素晴らしいハーモニー。そして日本酒との相性の良さといったら!

厳選された素材と組合せの妙。これぞジャズの醍醐味だね。

ちなみに"鯖の梅煮"はたぶん限定メニューです。このボリュームで500円は安い!お勧め。

| | Comments (1) | TrackBack (0)

2004.08.01

月曜日、幸せそうな笑みを浮かべたままボーっとして仕事が手につかない人がいたら、それは日曜日にオマール・ソーサのライブに行った人かも

しれません。

いやーこういう凄まじいライブを目の当たりにしてしまうと、社会復帰するのが大変だ。

ライブは1st setがオマール・ソーサとDJ Spinnaとのコラボレーション。長めの休憩を挟んで(といっても、その間も当然DJ Spinnaがプレイ)、2ndはオマール・ソーサ・クインテット。最後は再びDJ Spinnaが絡む。

いやー盛り上がった。ブルーノートでスタンディングのイベントというのもあまり前例がないらしい。リズムセクションが良く、特にドラムのJosh Jonesは強力。ラテン系の伊達男という感じのルックスだけど演奏は実にシャープだ。試しに名前で検索してみたけど、今回のバンド(CDとは別らしい)以外にはほとんど引っ掛からない。まだ無名の存在なのだろう。こういう人を目の当たりにすると、世界はまだまだ広い、と思わずにはいわれない。

チャージ6300円というのは安くはないけど、ブルーノートでは通常1ステージのチャージが7000円以上なので、2ステージ満喫したことを思えばかなり割安に感じる。こういうライブこそ学生に体験して欲しいが。うーんやっぱり微妙な値段だよなあ。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

« July 2004 | Main | September 2004 »