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2005.03.15

鬼怒無月率いるプロジェクト「Play Post Tango and More」を聴きながら、「ピアソラというブランド」について考える

3月15日、江古田バデ3月15日、江古田バディにて。
メンバーは鬼怒無月(g)、喜多直毅(vln)、佐藤芳明(acc)、鳥越啓介(b)。

喜多さんのCD「HYPERTANGO」に収録されている「Verdenegro」という曲は元々アサヒビール・ロビーコンサートのために依嘱されたヴァイオリン&マリンバの作品(喜多直毅&通崎睦美により初演、CDでは喜多&鬼怒による演奏)。鬼怒さんと壷井彰久さん(vln)のユニット、ERA(イーラ)に通じるようなジャズロック調の作品なのだけど、鬼怒さん自身の曲目解説によれば、これはタンゴをイメージして作った作品なのだという。

その後鬼怒さんは別のアコースティックトリオ、Warehouseも結成。メンバーは結果的にボンデージフルーツのサブセットで、鬼怒さんとベース大坪寛彦さん、マリンバ&パーカッションの高良久美子さん。インタビューの際伺ったところによれば、このバンドも「打楽器無しでグルーヴを出す」という点でタンゴに通じるコンセプトを持つのだという。

これらの活動を経た(というか並行して継続中ですが)鬼怒さんが、堂々と「ポスト・タンゴ」という看板を掲げて活動を開始したのがこのプロジェクトである。他のメンバーはタンゴ出身の喜多さんをはじめ、ジャンルを超越した活動を繰り広げるツワモノ揃い。全員バカテク。曲はすべてオリジナル。

ちょっと乱暴だけど、僕はいっそ「ポスト・ピアソラ」と言ってしまえばいいんじゃないかと思ったりもする。当人達にそういう意図はないにしても。ピアソラは今ではタンゴの代名詞みたいになってしまったけど、そもそもピアソラこそ伝統的なタンゴの世界から見れば「ポスト・タンゴ」的な存在だったんじゃなかろうか。

手前味噌ながら、喜多さんのCDタイトル「HYPERTANGO」にもそういう気持ちが込められている。ピアソラ体験からスタートして、どちらを向くか。タンゴというジャンル全体を振り返るのもいいけど、ピアソラと(まったく同じではないにせよ)「だいたい同じ向き」に視線を向けよう、という発想があってもいいはずだ。ミュージシャンも、我々リスナーも。

ライブレポートはeijiさんのblogが詳しいのであまり付け加えることが見つからない・・・

僕が印象深かったのは「パレード」。テーマ部で喜多さんが微妙に音程をズラして演奏し、「壊れた」感じを醸し出していた。隣の佐藤さんが喜多さんの方を見て笑っていたから、おそらく打ち合わせにはなかったのだろう。この「微妙さ」の絶妙はアラブ音楽の微分音スケールで鍛えた喜多さんならでは。「音程の悪いヴァイオリンだな」と誤解する人がいなけりゃいいけど。逆ですってば!

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