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2005.06.27

小沼ようすけトリオと喜多直毅の初共演について語りたいことはあまりに多くてまとめるのが大変だ

6月27日、六本木アルフィーにて。
小沼ようすけ(g)トリオ(鈴木正人(b), 大槻カルタ英宣(ds))の定例ライブに喜多直毅(vln)がゲスト参加。

まずこのセッションが実現した経緯について触れておこう。ユーゴ出身の作曲家兼ギタリスト、デュージャン・ボグダノビッチの来日公演に際し、セッションの企画立案をデュージャンの招聘元である現代ギター社から打診された僕は、まず小沼さんに声をかけた。説明は省くが、ギタリストなら彼しかいないと思ったのだ。

「もう一人、ギター以外の人を」と言われたとき、もちろん喜多さんも思い浮かんだが、実は最初第一候補として考えていたのは別のミュージシャンだった。しかしデュージャン本人の意向が第一と考え、いくつかのサンプル音源を提示したところ、彼が選んだのは喜多さんだったのだ。

というわけで計らずも小沼さんの喜多さんの共演が実現することに。まず1月末に、小沼さんのアコースティックセッションに喜多さんが飛び入りしたのが初共演。4月のデュージャン来日記念セッションが2回目。小沼さんとしても手応えを感じたようで、今度は自らのライブに喜多さんをゲストとして招くことに。

整理するとですね、

たまたま現代ギターが僕に声をかけてくれて
→僕が小沼さんに出演を依頼して
→小沼さんが(彼にとってまったく未知のギタリストであった)デュージャンとの共演を快諾してくれて
→デュージャンが喜多さんを気に入ってもう一人の共演者に選んでくれて
→小沼さんと喜多さんも意気投合。

という連鎖の結果なのです。一つでも欠ければ実現しなかったはず。小沼さんも喜多さんも以前から僕のfavorite musicianだったからいつか共演してくれれば、と思っていたけれど、個人の力でそういうきっかけを作るのって難しいですからね。一連の経緯に関わって下さった皆様に深く感謝。


小沼さん、喜多さんの個々の演奏についてはこれまでにもいろいろ書いてきたので、今さら何を書けば、と思ってしまう。それでも強調しておきたいのは、すぐれたミュージシャンどうしが共演したときに生み出される予測不可能な相乗効果の素晴らしさ。この日も「うほ!そうくる!?」と思った場面が何度あったことか。ゾワゾワっと来ましたね。

小沼さんは珍しくディストーションを深くかけた音色を多用したり。フリーっぽい展開になったり。喜多さんはいつも以上に激しく弾きまくったり。

速弾きの部分に耳を奪われがちだけど、二人ともハーモニーに対する感覚が鋭いな、というのもあらためて感じた。ギターは元々和音楽器だから当然といえば当然だけど、小沼さんの場合、ジャズでは珍しくすべて指弾きなので、アドリブソロでも和音を多用する。喜多さんも重音を自在に操る。ヴァイオリンという楽器で、即興演奏においてここまで重音を駆使する人はやはり珍しいと思う。アレンジ能力も高い喜多さんならではかもしれない。

1st setの最後にデュオで演奏された「オーヴァー・ザ・レインボウ」、4月7日のときも良かったけど、より濃密な二人の「会話」が感じられて非常に良かった。こういう感覚は、優れたジャズミュージシャンどうしのセッションにおいてはそれほど珍しくないのだけど、「ヴァイオリンとギター」という組合せに限って言えば本当に貴重な経験だ。「ヴァイオリンはジャズに向かない楽器」という説をどこかで読んだ記憶があるのだけど、そういう偏見を持っている人にこそ聴いて欲しかったところだ。

ともかく二人とも、互いに刺激を受けて新しいものが引き出されていたと思う。これがあるからライブは面白いんだよな。ぜひ今後もいろんな組合せでセッションを続けていただきたい。

あとベースの鈴木さんとドラムの大槻さんについても触れておかねば。喜多さんの場合、ドラムやエレキベースと一緒にやる機会自体少ないのでちょっと相性が心配だったけど、さすがのサポートでした。特に鈴木さんはやはり小沼トリオの要だな、とあらためて感じた。アンコールでやった喜多さんのオリジナル「板橋区」はいろんな編成で
聴いているけど、ここでの大槻さんのアプローチはなかなか絶妙で、「その手があったか!」と感心しました。

ハウリングを警戒したのか、PAバランスでヴァイオリンが小さめだったのがちょっと残念。喜多さんが他の楽器に負けないようにと熱演したのは良かったのだけど、もうちょっとしっかり音が出ていればまた違った音使いになっていたはず。

それにしても、「板橋区」で小沼さんがソロ弾いてる姿というのはまた感慨深いものがありますよ。ちょっと都会的なイメージ。マンハッタンの一角って感じ?

ところで「ジャズ」という単語を繰返し使ってますが・・・
休憩時間に喜多さんに「どう?」って声をかけたとき「いやージャズの人と一緒にやるのは大変ですよ」みたいなことを言ってたんだけど、それに対して他のお三方は口々に
「あ、僕はジャズじゃないですよ」
「おれも」
「僕もジャズっていうわけでは・・・」
などとおっしゃってました。ジャズって何でしょうね(笑)。

【追記】ソニーの小沼さんの公式サイトの日記(FROM YOSUKE)に小沼さんがこの日のライブの感想を書いて下さってます。

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Comments

Tokunagaさん、こんにちは。ゴウダです。下手なライブレポートに、トラックバックいただきありがとございました!(妻共々) この二人の組み合わせでスペインを聞ける日を待ちたいと思います!いつも更新楽しみにしています。これからもよろしくお願いします。

Posted by: ゴウダ | 2005.07.06 at 01:39 AM

コメントありがとうございます。奥様と別々にblogやられてるんですね。またぜひご一緒しましょう。ヒデキチさんにもくれぐれもよろしくお伝えください。

Posted by: tokunaga | 2005.07.06 at 07:03 PM

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