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2005.08.29

かつて衝撃を受けた佐藤通弘の津軽三味線にやっと再会できた

8月29日、大泉学園inFにて、佐藤通弘(津軽三味線)太田惠資(vl.) 吉見征樹(tabla) というトリオのライブ。

上妻宏光、吉田兄弟といった津軽三味線の若手の人気がすごいらしい。僕は断片的にしか聴いたことがないので評価は控える。

しかしだね、

正直なところ、これまで断片的に聴いた限りでは、インパクトはあんまり感じない。

誤解されると困るのだけど、インパクトを感じないから駄目だと言いたいわけではない。あくまで僕個人はあんまり驚いたり新鮮だと感じたりしなかったということ。それは音楽自体の良し悪しとはあまり関係ない。念のため先にフォローしておくと、上妻宏光さんについては最近ちょっと変わった編成でライブをやっているようなので、これは興味あり。オリジナル曲も多いようだし。

ひとつはっきり言えるのは、上妻宏光や吉田兄弟の音楽についてきちんと論じたいなら、佐藤通弘、木乃下真市(旧名:木下伸一)といったその筋の先輩達がやってきたことは踏まえておかないとまずいだろう、ということ。

僕には忘れられないシーンがあるのだ。

もう10数年も前になると思うけど、たしかフジテレビの深夜番組(「ギター侍」?)で、渡辺香津美さん相手に、凄まじい即興バトルを繰り広げた津軽三味線奏者。

それが佐藤通弘さんだった。
(続く)

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2005.08.28

総選挙前に観ておきたい燐光群「だるまさんがころんだ」

27日、下北沢スズナリにて(東京公演は31日マチネまで)。

政治的な主張はしないといいつつ、こういった芝居を勧めたらある種の政治的主張をしていると思われても仕方ないのだけど。

ただ強調しておきたいのは、これはいわゆる「反戦芝居」とはちょっと違うということ。地雷の恐ろしさこそストレートに訴えているけれど、同時に観客を笑わせたり泣かせたり、といったエンターテイメントの姿勢は終始一貫しているのだ。

なんといっても構成が素晴らしい。親分の命令で地雷を買い求めるヤクザ、地雷工場で働く父を持つ一家、イラクに派遣された自衛官、地雷に翻弄される戦地の原住民、といったシーンが独立して展開しつつ、ラストシーンに収束していく様が見事だ。

とはいえ、これは「社会派演劇」には違いない。それはひとことで言えば、メディアとしての役割も担っているということ。たとえ作者の主張に共感できなかったとしても、それまで知らなかった・気付かなかった情報や視点を提供されるのは間違いないだろう。

初演は1年以上前だけど、ここに提示された状況はちっとも"古く"はなっていない。ただし「オランダ軍が守ってくれる」なんてのは今や過去の話。セリフは敢えてそのままにしてましたね。

おそらく「社会派」を敬遠する人も多いのだろうけど、僕はむしろ逆である。「純粋な娯楽」だったら、他にもたくさんある。演劇を選ぶ必然性をあまり感じないのだ。

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2005.08.26

大萩康司リサイタルで9回裏逆転サヨナラ満塁ホームランみたいなジュリアーニ「ロッシニアーナ」の快演

25日、トッパンホールにて。

いやー最後にやってくれましたね。クラシックギターのコンサートでこんなに興奮したのはいつ以来だろう。

3年がかりのシリーズコンサート、トッパンホール・エスポワールシリーズのVol.2。今回は「古典」がテーマで、前半がソル、後半がジュリアーニ。ゲストにメゾソプラノの井坂惠さん。

前半はチューニングで苦しむ。19世紀ギターの使用、台風接近による多湿など厳しい条件が重なってしまった。こういうのは演奏にも影響するのだろう。どうも大萩さんにしてはピリっとしない。

後半1曲目の「大序曲」では去年の同シリーズでも感じられた「攻めの姿勢」を感じるもののやや空回り。歌ものは気持ちよさそうに伴奏していたけれど、いかんせん、これはギターパートがシンプルすぎて面白くないなあ。前半に弾かれたソルの歌曲と比べてもちょっと芸が無い。

ところがプログラム最後の「ロッシニアーナ」で、それまでの「劣勢」を見事にひっくり返す。実にドラマチック。ぐいぐい引き込まれる。引用されたロッシーニのオペラさながらではないか(見たことはないけれど)。

このジュリアーニの(ギター作品としては)大曲は、華やかだけど、ちょっとクドいと感じることが多い。おそらく作曲者本人のテクニックをひけらかす意図もあったに違いない。大萩さんのイメージとは合わないような気がしていたこともあり、驚くべき「嬉しい誤算」。ブルブルっときましたよ。

アンコールのソル2曲でさらにダメ押し。最後の「ワルツ」のような小品をもっと聴いてみたかった、というのが不満といえば不満だけど、終わり良ければすべて良し!


それにしても、チケット完売のはずなのに空席が目に付くのはどうしたことか。おそらく関係者向けのチケットがさばききれなかったのだろうけど、事前にしっかりチェックして当日券にまわすことはできなかったんだろうか。昨年のvol.1のレビュー(現代ギター誌掲載)で1年に1回×3年という企画の素晴らしさを強調しただけに残念。

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2005.08.22

小沼ようすけ+喜多直毅の「Tell Me A Bed Time Story」こそハービー・ハンコックに聴いて欲しかったぞ

せっかく東京JAZZ2005で来日してたわけですからね。

そして小沼+喜多+noonによる「ブルーゼット」も作曲者トゥーツ・シールマンス」に聴かせたい名演でした。


続き。
出演者はあとベース佐藤慎一さんとパーカッション仙道さおりさん。曲によりソロ、デュオ、トリオ、カルテット、全員、とさまざまな編成で。以下思いついたことをつれづれなるままに。

小沼さん+仙道さんによる「シシー・ストラット」はちょっと他では味わえない面白さ。6弦を思いっきり(Aまで)下げてベース音までカバーするというアイディア(チャーリー・ハンターの影響か?)もさることながら、仙道さんとのインタープレイが最高。ベーシストもいるのに敢えてベースレスでやることの意味がよくわかる。

仙道さんはいつものようにカホン、コンガ等いくつものパーカッションを組合せ、フレーズが実に多彩で柔軟。ここぞというときの瞬発力もさることながら、常に全体のバランスに気を配っているのを感じる。「女性らしい細やかさ」と言ったらご本人は嫌がるかもしれないけど、そんな感じ。

初めて聴いたnoonさんは爽やか系のクドくないジャズボーカル。アン・サリーあたりとキャラがかぶりそうだが、アップテンポの曲が非常に心地よい。適度に力が抜けており、バックの演奏にもよく馴染む。これは案外難しいことだろうと思う。

喜多さんは2部からの登場だったけど、もういきなり喜多ワールド。オリジナル曲「板橋区」やいつも黒田京子さんあたりと演奏しているカーラ・ブレイの曲までやっちゃった。完全に第3の主役。上述の「ブルーゼット」などではジャジィなソロも。

本当に「実はジャズヴァイオリニストじゃないのか?」と思いたくなるほど見事。ボキャブラリーも豊富で、「Wind Jammar」のシンプルなリフも、ただ繰り返すだけじゃなくて何通りにも弾き分ける。でもよーーーく注意して聴くと、4ビートの曲では微妙にノリがズレる瞬間がわずかにある。いや意図的にズラしてたりして。それでいいのだと思う。別にステファン・グラッペリみたいに弾いて欲しいわけじゃないし(弾けるでしょうけどね)。

小沼さんみたいなテクニシャンが相手だと、どうしても「弾き過ぎる」傾向があるので、もうちょっと抑えてもいいんじゃないかな、とは思った。しかしそれは僕がいつも彼の演奏を聴いているからだろう。初めて聴いた人はただただ圧倒されたでしょうね。

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2005.08.21

東京JAZZ2005が終わった後のなんとも言えない脱力感

21日、東京ビッグサイトにて。

「ヘッドハンターズ05」なんてネーミングを聞いた時には「なんか胡散臭いなあ」と思っていましたが。

どっこい、ハービー・ハンコック本気モードでした。プレイヤーとしてのマーカス・ミラーってあんまり好きじゃなかったんだけど、やっぱかっこいいわ。怪人リオーネル・ルエケもすごい存在感。アフリカおそるべし。なるほどこれは、「21世紀のヘッドハンターズ」なのだ。


あといろいろ言いたいことはあるのだけど、とりあえずひとつだけ。

TKYのときのPAはなんだ?特にベースラインはまったく聞こえないじゃん。ブンブン唸ってるだけ。前日行かれた方から「PAは去年より良くなってるよ」と聞かされていたので「それでもこの程度か?」と。

思ったら、マーカスのベースラインはちゃんと聞こえるよ・・・どゆこと?

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2005.08.18

ライブ・公演情報(2005年8月後半~)

8月後半以降。

8月14日~31日
燐光群「だるまさんがころんだ」@下北沢スズナリ
*鶴屋南北戯曲賞 朝日舞台芸術賞 読売演劇大賞トリプル受賞の傑作再演。

8月19日
■Joe Locke(vibe).Geoffrey,Keezer(p).河上修(b).外山明(dr)@神田Tokyo TUC
*Special Gueat: 小沼ようすけ(g)
■喜多直毅(vln),高木潤一(gt),@大泉学園inF
■スパニッシュコネクション+大渕博光(vo)@大手町・丸ビル1Fマルキューブ
無料!詳細はこちら

8月20日
■アルカイック(林正樹pf+仙道さおりper)@新宿トップスバー2
■bondagefruit(鬼怒無月(g),勝井祐二(vn),大坪寛彦(b),高良久美子(per)岡部洋一(per))with Yae(vo)@アサヒアートスクエア
■saigenji@お台場ヴィーナスフォート
無料!詳細はこちら

8月21日 
■喜多直毅・黒田京子・佐藤芳明@下北沢LadyJane
*4月のアルフィーでも好評を博した相性バッチリのトリオ。こっそりばらすと近々このトリオ+αでレコーディングする予定。

8月22日
■小沼ようすけ(g)、noon(vo)、佐藤慎一(b)、仙道さおり(per)、喜多直毅(vln)@モーションブルーヨコハマ
*初めての組合せながら、相性はめちゃ良さそう!入れ替え無しでチャージ3,675円はお得感高し。

8月23日
■Coil(鬼怒無月(g),早川岳晴(b),中山努(key)田中栄二(ds))@高円寺ジロキチ

8月24日
■喜多直毅・黒田京子@大塚グレコ
■Vincent Atmicus(芳垣安洋(Per) 松本 治(Tb) 青木泰成(Tb. Pianica b.) 勝井祐二(Vn) 太田恵資(Vn) 水谷浩章(B) 岡部洋一(Per. Dr.) 高良久美子(Per. Vib.)@新宿ピットイン

8月25日
■常味裕司(oud) 太田惠資(vl.) duo@西荻窪・音や金時

8月26日
■トミー・キャンベル(ds).河合代介(hammond B-3 organ).小沼ようすけ(g). ゲスト:グリニス ・マーティン(vo)@青山Body&Soul
■黒田京子(p.) 翠川敬基(cello) 太田惠資(vl.)@大泉学園inF

8月27日
■斉藤ネコ(vl.) 太田惠資(vl.)duo@下北沢レディジェーン
*なんでもアリのトーク&セッション
■是巨人+David Cross@吉祥寺スターパインズカフェ

8月28日
■ROSCO×Nozzles@渋谷・公園通りクラシックス
*Nozzlesは木之脇道元さん率いるフルートアンサンブル。斎藤和志さんもメンバー。

8月29日
■佐藤通弘(津軽三味線)太田惠資(vl.) 吉見征樹(tabla) @大泉学園inF

8月30日
ザ・ダイナマイツ@大久保・石森楽器ホール
■仙道さおり(per)、長澤紀仁(G)、松本トシアキ(Harp) @西荻窪音や金時

8月31日
■大渕博光(voc)伊藤芳輝(gt)平松加奈(vn)仙道さおり(per)@赤坂ノベンバーイレブンス
■鬼怒無月(g.) 佐藤芳明(acc.) 吉見征樹(tabla) 太田惠資(vl.)@大泉学園inF


9月1日
■G:鬼怒無月 Vln:喜多直毅 Pf:林正樹 Acc:佐藤芳明@江古田バディ

9月2日
■小沼ようすけソロ@舞浜クラブイクスピアリ
■ぺぺ・ロメロ&トマティート@初台オペラシティ
*クラシックギターとフラメンコギターの大物対決!チケットは高いですがそれなりの価値あり。

9月2日-11日
ブラジル映画祭@飯田橋・日仏会館
*ヤマンドゥ・コスタ(g)PVなど音楽関係の興味深いフィルムも上映。

9月3日
■小沼ようすけ (g)、仙道さおり(per)、鳥越啓介(b)@舞浜イクスピアリ
■喜多直毅(vln)津山知子(pf) @海老名ViNA WALK
無料!(ただし野外のため雨天の場合中止)16:00~/18:00~

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2005.08.17

正解は村治佳織

渡辺香津美7days@新宿ピットイン全日程終了。

最終日のシークレットゲストは村治佳織さんでした。
2部のアタマに登場。さすがに会場がどよめきましたね。
(続く)

続き。
それにしても名曲「WATER WAYS FLOW BACKWARD AGAIN」を演奏してくれるとは!実は以前からレパートリーだったようですが。もう1曲は「ネコビタンX」。安易にクラシックっぽいものをやってお茶を濁すようなことをしないのはさすが。

14日はギターの鬼と化して「いくところまでいく」場面が多々見られたけれど、この日は歌もの(ボーカルは上田正樹さん)も含め、ジャンルにこだわらず音楽そのものを楽しんでいる感じ。上田正樹さんとの共演はアルバム「ロマネスク」が収録されたコンサート(管楽器がたくさん入る編成)で聴いたときはいまひとつピンとこなかったのだけど(アルバムにも収録されなかったし)、この日は納得。香津美さん、ホントに上田さんの声が好きなんだな。

ベースはかつてMOBOIIIトリオで活躍したグレッグ・リーさん。当時はテクニシャンという印象だったのだけど、あらためてじっくり聴くと、むしろ歌心のあるラインが光る。

ピアノの佐山雅弘さんは随分前にPONTA BOXで聴いて以来か。やはりこの人はモーレツにピアノが上手いですね。躍動感のあるフレーズでグイグイ押してくるのが心地よい。

Saxの矢野沙織さんは生で聴くのは初めて。渋い音色!ミニスカの色っぽい衣装とのミスマッチがgood。

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2005.08.16

ko-ko-ya(笹子重治、黒川紗恵子、江藤有希)@プラッサオンゼ(仮)

16日、青山(表参道と外苑前の中間ぐらい)プラッサオンゼにて。

よく誤解されるのだけど、笹子重治さんの「ショーロクラブ」はショーロを演奏するバンドではなく、レパートリーはほとんどオリジナル曲である。笹子さんもインタビューの際、「ブラジル音楽をやっているつもりはない」とはっきりおっしゃっていた。

では笹子さんがブラジル音楽をやるとどうなるのか。これも聴いてみたい。そこに登場したのがこのko-ko-ya。まだ結成されて間もないらしいが中原仁さんもblogで絶賛。8/6の無料ライブ@恵比須ガーデンプレイスに続き、2回目のライブ体験。

続く。

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2005.08.15

矢野顕子が歌う究極のラブソングに涙

15日、青山ブルーノートにて、先ほどライブが終わったところ。ケータイより。

いい加減ですみません。舌の根も渇かぬうちに、ブルーノートに来てしまいました。

吉田美奈子の歌があったら、他に何が必要か?


矢野顕子の歌は、必要かもしれない。


続き。
そもそも僕はラブソングってやつが苦手である。だってたいてい歌詞が変だもん。日本人に「I love you~」とか歌われたら、もうそれだけで引いてしまう。「おめー何人だよ」って。そんなもん全然リアリティを感じない。


いかん、また尾崎豊の悪口を書いてしまった・・・


数少ない例外の一つが矢野顕子の「ひとつだけ」。これをやってくれたんですね。アレンジはすっかり変わっていて、イントロでは全然わからず。歌が始まると、意表を突かれてアタマの中が一瞬真っ白になりました。

ありがたいことに友人が並んで整理券を取ってくれたのでかぶりつき。これなら高いチャージも許せるわなあ。

ちなみに、言うもでもなくアンソニー・ジャクソンのベースとクリフ・アーモンドのドラムも最高です。二人とも今年の2月にウェイン・クランツのトリオで観てしびれたばかり。プロフィール見たら、クリフ・アーモンドってミシェル・カミロのトリオでも叩いてたのね。テクだけじゃなくて、素晴らしいセンス。間違いなく世界トップクラスのリズムセクションですよ。

ということで矢野ファンの皆さん、バックの演奏にもご注目を。特に前のほうの人たちの多くは一心不乱に矢野さんを凝視しており、正直ちょっとコワかった・・・

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終戦記念日と映画「ヒトラー 最期の12日間」と芝居「だるまさんがころんだ」

このblogでは政治的な発言は極力避けるつもりなのだけど、考える材料ぐらい示しとこう。

各新聞の社説を手軽に読み比べたりできるのはインターネット時代なればこそ。産経新聞社のサイトにまずアクセスし、左上の「社説など」→「主張(社説)」をクリックしましょう。このページから他の全国紙(朝日・読売・毎日・日経)の社説のページへリンクが張られており、非常に便利です。

それと直接は関係ないのですが、公開中の映画「ヒトラー 最期の12日間」は必見です。同名の原作本も出版されていますが、訳者は東京医科歯科大学教養部の(すなわち僕の同僚の)鈴木直教授です

【追記】戦争もの繋がりということで、31日まで下北沢スズナリで上演中の燐光群「だるまさんがころんだ」にも注目を。忘れちゃいけないイラク問題。選挙も近いし。

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2005.08.14

渡辺香津美と小沼ようすけが遂に激突

14日、新宿ピットインにて渡辺香津美7days4日目。

名実共に日本が世界に誇るジャズギタリスト、渡辺香津美さんと、新世代の旗手、小沼ようすけさんの共演が遂に実現。他の共演者は井上陽介(b).村上"PONTA"秀一(dr).笹路正徳(pf)。これは見逃せんでしょう。前売り券は若い番号をしっかりゲット。.

この二人、まったく違うタイプのようにも見えるのだけど、"ある面"では非常に似通っているように思えてならなかったのですよ。

なにかというと、「ギター馬鹿」具合。それがはっきり現れたのは、ある曲の途中でバックの演奏が休んでギターだけになったところ。途中、「どっちがクラシックの曲をたくさん知ってるか(弾けるか)競争」みたいになってしまった。

しかしマニアックすぎるぞ!香津美さんのBWV996ブーレ(これはイングウェイが弾いてたのでけっこう有名)に対抗して小沼さんがBWV1006ガボットを弾き始めたところで「おお!」と思ったのは、僕と某若手クラシックギタリスト君(たまたまこの日聴きにきていた)以外にどれだけいただろう?

それにしても、お二人とも本当に楽しそうでしたね。香津美さんはMo'BOPトリオでの弾きまくりにも血が騒いだけど、この日の「壊れ方」はそれ以上。小沼さんも全然動じない、というか煽ってました。そうすると香津美さんも余計燃えるんだな。

それから忘れちゃいけないのがポンタさんのドラム。ジャズ・スタンダードでの演奏なんて久々に聴いたけどかっこよかったなあ。「ツボを押さえるた」という表現が本当にピッタリくる。若手はこれを見習ってくれ!


さて、最終日のシークレットゲストが誰だかわかってしまいました(関係者からの情報)。ちょっとびっくり。よく知っている人でした。客席どよめくだろうなあ。うーん当日券で行くべきか・・・

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2005.08.13

FONTE(中川昌三、小畑和彦、安井源之新)が見せてくれるブラジル音楽の新しい世界

13日、青山プラッサオンゼにて。

このプラッサオンゼというお店、不覚にも知ったのは比較的最近なのですが、ブラジル音楽のライブハウスとしては老舗なんですね。そして料理もおいしく、料金もリーズナブル。

なんせこの日はチャージが2000円ですよ。この超実力派3人のトリオでね。偶然居合わせた知り合いと一緒にけっこう飲み食いして二人で1万円。ブルーノートとか行くのバカらしくないですか?(と言いつつまた行きますけどね)。というわけで左のリンクに追加しました。

FONTEを知ったのは大塚のグレコ。休憩時間だったか終演後だったか忘れたけど、BGMで流れてきたジスモンチ作曲の「Loro」にびっくり。グルーヴ感は完璧だし、なにこの超絶フルート!?Dave Valentineを目の当たりにしたときも驚いたけど、キャラクターはともかくテクニックと表現力は負けてないような。

(続く)

続き。
それがFONTEのCD「Live at Corcovado」だったというわけ。フルートは中川昌三さん。元々クラシック~現代音楽畑で活躍されており、芸大の講師もやっておられるほどだから、テクニックがあるのは当たり前。ポピュラー方面でアドリブをバリバリ吹くのも佐藤正美さん(g)や渡辺香津美さん(g)との共演で何度も聴いているはずだけど、いっそうパワーアップしてるんじゃないか?パンデイロ(手短に言うとブラジルのタンバリン)の名手、安井源之新さんも然り。ギターの小畑和彦さんはブラジル音楽系のギタリストとして有名なベテランだけど、不覚にもこれまであまりチェックしていなかった。ジャズを基盤にブラジル音楽も基礎からしっかりマスターしており、これまた縦横無尽なプレイ。

さっそくネットでライブ情報をチェックして先月のプラッサオンゼのライブへ。会場でCDも購入。すっかりハマってしまいました。で、小畑さんには取材を申し込み(現代ギター9月号に掲載)、この日が2回目のライブ体験というわけ。

誤解を恐れずに言えば、FONTEは特別なことをやっているわけではないと思う。小畑さんや安井さんがディレイ・フープを駆使したり、といった小技はあるけど、基礎になるアレンジは比較的シンプル。だからこそ、グルーヴとインプロヴィゼーションの凄まじさが際立つ。

曲はカバー8割、オリジナル2割といったところか。選曲が渋くて、ブラジルは名曲の宝庫だということをあらためて感じるし、それに混ざって演奏されても全然違和感のないオリジナルもよい。特に小畑さんの「Cataplana」なんて名曲だと思う。

このblogで以前から取り上げているsaigenjiや、FONTE同様ごく最近知ったko-ko-yaなども合わせて考えたとき、つくづく感じるのは、ブラジル音楽の"普遍化"ということ。たとえばジャズはアメリカで生まれたものだけど、今やジャズを聴くときに「アメリカの音楽」というを意識を持つ必要はないでしょう?それに近いことががブラジル音楽でも起こっているのではないか。3人とも間違いなく本場で通用するミュージシャンだと思うけど、そんなことすらもはやどうでもいい。聴く側も余計な先入観やコンプレックスを捨てるべきだ。

ちなみにFONTEはほぼ月イチでライブをやるようですが、まだまだ客席は余裕があります。CDは4月に発売されているので「先物買い」というには遅いのだけど、早くライブを体験して「まだFONTE聴いてないの?」と自慢しましょう(こういうsnobismは推奨されるべき、というのが持論です)。

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2005.08.12

吉田美奈子+渡辺香津美デュオに酔いしれる幸福

12日、新宿ピットインにて。新宿ピットイン40周年記念ライブの一環としての渡辺香津美7days2日目。連日豪華なゲストが出演するけど、この日は吉田美奈子さんとの完全デュオ。

アルバム「ロマネスク」に収録されたオーチャードホールでのコンサートなど、印象深い共演もいくつかあるけれど、二人っきりで1ステージというのはほとんど前例がないかも。そりゃ行くっきゃないでしょ。後ろの方でも生歌が聞こえてきそうな小さいハコで聴けて1drink付き5000円は安いなあ。さすがに立見も一杯の大混雑でいわゆる「酸欠状態」だったけど、なんとか座席が確保できてラッキー。

お二人とも僕が高校生のときからのアイドルである。初めて生で聴いたのも10代のとき。それから××年を経て、二人ともいまだ現役バリバリ。郷愁に浸るんじゃなくて(実際古いレパートリーは一切やらなかった)、現在進行形の感動に浸ることができる。10代の頃、「こんな素晴らしい音楽が世の中にあったなんて!」とワクワクした気持ちそのまま。ジャズ・スタンダードも新鮮だったし、普段バンドで演奏される美奈子さんのオリジナルは新たな魅力を再発見した。

つくづく思うのだけれど、僕が日頃インストモノを中心に聴いているのは逆説的に言えば、10代で吉田美奈子を知ってしまったからなのだ。吉田美奈子の歌があったら、他に何が必要だろう?

そういうミュージシャンに、10代で出会えたのはとても幸せだった。もちろんいくつになっても遅すぎるということはないんだけど、意味合いが違うと思うよ。現役で大学に入っても18、19でしょう。みんな"出合って"いるでしょうか。急がなきゃ!!

おっと、あんまり10代10代って言ってると尾崎豊みたいでかっこ悪いな。気をつけないと。


さて香津美さんの7daysはまだまだ続きます。13日14日は小沼ようすけさんをゲストに迎えての2days。ドラムは香津美さんとの共演歴も長い村上ポンタ秀一さん、ベースはNY帰りの超実力派井上陽介さん。香津美×小沼はステージでの本格的な共演は初めてとのこと。こんな楽しみな組合せも、そう滅多にあるもんじゃありません。

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2005.08.07

朝日新聞連載「おやじのせなか」に燐光群・坂手洋二が登場

外出先で新聞を開いて見つけたのでとりあえずケータイより。

劇団燐光群が今月14日から「だるまさんがころんだ」を再演しますが、その主宰者が劇作家/演出家の坂手洋二さん。

社会派で知られる坂手さんが芝居抜きでプライベートについて語るのは珍しいかも。

写真だといかにも切れ者という感じでちょっとコワモテのことが多いんですが、この写真は温和な表情でいいですね。僕の知ってる坂手さんに近いイメージ。


さて燐光群も楽しみですが、その前に駒場アゴラでモンキーロード「らくだ論」。9日より。脚本は喜多直毅「ハイパータンゴ2」のライナーノートを書いて下さった北村想さん。演出が大西一郎さん。美術は燐光群でのお仕事も多い加藤ちかさんですね。

【追記】モンキーロード、初日に観てきました。面白かったですよ。

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2005.08.01

ライブ・公演情報(林正樹、喜多直毅、梅津和時、坪川真理子、小沼ようすけ、FONTE、渡辺香津美、田中邦和、モンキーロード、燐光群他)

8月以降のライブ・公演情報です。
せっかくの夏休みなので、チャージの安い(1drink付1300円)新宿ピットインの平日昼の部などもチェックしてみましょう。

8月1日
■井上淑彦(ts)林正樹(p)森泰人(b)@大泉学園inF
*若手イチオシの林さんと実力派ベテランのセッション。

8月2日
■喜多直毅vln・佐藤芳明acc・伊藤芳輝g・大坪寛彦b@大塚グレコ
*ツワモノ揃い!しかも初めての組合せで楽しみ。

8月3日
■梅津和時:新大久保ジェントルメン@新宿ピットイン
*ゲスト:山田晃士vo、佐藤芳明accd@新宿ピットイン

8月4日
■梅津和時シャクシャイン@新宿ピットイン
*三好功郎、今堀恒雄のツインギターを擁する伝説の名バンド再結成。

8月5日
坪川真理子(g)@要町GGサロン
*9月29日の特別授業で演奏してくださる坪川さんがピアノ伴奏で「アランフェス協奏曲」を弾きます。
■小沼ようすけソロ@関内KAMOME

8月6日
■「ko-ko-ya」笹子 重治(g)/江藤 有希(vl)/黒川 紗恵子(cl)@恵比寿ガーデンプレイス
無料イベント。詳しくはこちら

8月7日
■小沼ようすけ(g),大槻"KALTA"英宣(dr),金子雄太(Org)@湘南藤沢・虎丸座
*オルガントリオ「アクアピット」として久々のライブ。

8月8日
■喜多直毅(vln),高木潤一(gt),響道宴(和太鼓)@赤坂ノベンバーイレブンス
*フラメンコ系ジャズの高木さんと久々の共演。和太鼓も加わってどうなることやら!

8月9日~14日
■モンキーロード@駒場アゴラ劇場
*敬愛する北村想さんの書き下ろし新作。

8月11日~17日
■渡辺香津美7Days~花鳥風月@新宿ピットイン
*日替わりゲストが豪華!徳永は最低2回行きます(前売り券購入済み)

8月13日
■FONTE@表参道プラッサオンゼ
*中川昌三fl, 安井源之新per, 小畑和彦gによる国内最強ブラジリアン・インストトリオ。
*小畑和彦さんにインタビューしました。現代ギター9月号掲載予定。
■BELLY DANCE LIVE IN CONCERT 2005@ティアラこうとう
*ベリーダンスイベント。おしゃれジプシィ参加。
■渡辺香津 美(g).井上陽介(b).村上"PONTA"秀一(dr).矢野沙織(sax).小沼ようすけ(g) @新宿ピットイン

8月14日
■渡辺香 津美(g).井上陽介(b).村上"PONTA"秀一(dr).笹路正徳(pf).小沼ようすけ(g)@新宿ピットイン

8月14日~31日
燐光群「だるまさんがころんだ」@下北沢スズナリ
*鶴屋南北戯曲賞 朝日舞台芸術賞 読売演劇大賞トリプル受賞の傑作再演。

8月15
■CICALA-MVTA+佐藤芳明(acc)@六本木ヒルズアリーナ
無料イベント!19時~
■田中邦和sax,守屋順子pf@モーションブルーヨコハマ
*田中邦和3days1日目。チャージ無料!(飲食代のみ)

8月16日
■g 笹子重治、cl 黒川紗恵子、vl 江藤有希、bandolin 秋岡欧@表参道プラッサオンゼ
中原仁さんも絶賛の本格ショーロバンドko-ko-ya+ショーロクラブの秋岡さん。
■田中邦和sax,富樫春生pf@モーションブルーヨコハマ
*田中邦和3days2日目。チャージ無料!(飲食代のみ)
■沖仁(g)他@舞浜クラ・ブイクスピアリ
*フラメンコギターの超新星。

8月17日
■太田惠資(vn)黒田京子(p)山口とも(per)@大泉学園inF
■田中邦和sax,河合代介organ,ヤマザキテツヤds@モーションブルーヨコハマ
*田中邦和3days3日目。チャージ無料!(飲食代のみ)
■Joe Locke(vibe).Geoffrey,Keezer(p).河上修(b).外山明(dr)@舞浜クラブイクスピアリ
*Special Gueat: 小沼ようすけ(g)

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