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2005.09.01

鬼怒無月「PlayPostTango」改めSalleGaveauサルガボに林正樹が加入して、世界最強のタンゴ五重奏団が誕生する予感

再びケータイより。江古田バディにてライブが終わったところ。

いやー期待以上にいいライブでした。今日来なかった人は、ある意味、歴史的瞬間を見逃しましたね。
(続く)

続き。
ギタリスト鬼怒無月さん率いる「ポストタンゴ」バンドにやっと「Salle Gaveau(サルガボ)」という名前がついた。と思ったら今回はベーシスト鳥越啓介さんがスケジュールの都合で参加できず、代わりにピアニスト林正樹さんが参加。あえてトラのベーシストを入れるのではなくピアニストを入れたところが面白い。

これが大正解。
まだ続く(と思う)

続き。
元々このバンドはタンゴバンドに欠かせないピアノ抜きでやってきたことが面白さの一つでもあったのだけど、やはりピアノが入るとサウンドの厚みが段違い。林さん、実は「前から入りたかった」のだそうで、嬉々として演奏している。小松亮太タンギスツや会田桃子クアトロシエントスといったタンゴバンドでの経験もあり、センスが素晴らしい。押し引きが絶妙。

これまでも決して不完全な感じはしなかったのだけど、ピアノが入ったら入ったで欠けていたピースがピタっとハマったように聞こえるから不思議だ。

ただしこの日は、代わりにベースというもうひとつの重要なピースが欠けていた。ここにベースが加わって、5つの楽器がガッチリ噛み合ったサウンドはどんなものになるのか。想像しただけでもワクワクする。ある意味究極のキンテート(五重奏団)だ。

そのデビューは11月14日、会場はこの日と同じ江古田バディ(【追記】その後11/6池袋Live in ROSAが決まったのでこちらが先)。対バンは会田桃子クアトロシエントス。林さんは出ずっぱりだ!バンドネオンは菊地成孔pepe tormento azucarar(ペペ・トルメント・アスカラール)参加で注目の北村聡さん。両バンドのメンバー入り乱れてのセッションも予定されているという。これは本当に歴史的なイベントになりそう。
(気が向いたらまだ続けるかも)

気が向いたので続き。
「世界最強」という表現について、「それはいくら何でも大げさじゃないか」と思う人もいるだろうけど、こちらはいたって大真面目である。

なにゆえに「最強」たり得るのか。特徴を箇条書きにしてみる。
・演奏はほぼオリジナルのみ(以前はレパートリー不足のためカバーもやったが今やそれも必要なくなった)。
・中心は鬼怒さんの作品だが、新メンバー林さんを含め、全員が作品を提供する。
・全員がジャズシーンでも活躍しており即興能力も恐ろしく高い。
・ヴァイオリンの喜多さんは元々タンゴ奏者として高い評価を得ているし、林さん、鬼怒さんも小松亮太タンギスツや会田桃子クアトロシエントスのメンバーとして活動し、タンゴについて知り尽くしている。

こんなタンゴバンドはかつて存在しなかったはずだ。オリジナルしか演奏しない、という一点のみ取っても僕は80年代以降のバンドとしてはピアソラのそれしか知らないが不勉強だろうか?ある意味彼らは、ピアソラが到達(しようとしたかは別にして)できなかった領域にまで達しつつあるのではないか。

とはいえ。

バンドネオンが入ってないじゃないか、という批判(?)は当然あり得るだろう。アコーディオンでは弱いのではないかと。

逆なんだよな。もちろんバンドネオンは素晴らしい楽器だけど、アンサンブルの1パートとして見たときには「両刃の剣」だ。その最大の魅力である音色が、音楽的な制約ともなることすら考えられる。どうしてもバランスが崩れがちなんだよな。

対して、アコーディオンはずっと自由な楽器だ。僕も佐藤さんのライブに足しげく通うようになってから知ったのだけど、スイッチの切り替えで音色や音域が変わったり、左手側のボタンが和音になったり単音になったりと、いろいろな機能が備わっており、ものすごく「合理的」な楽器だ。現代音楽の分野で活躍しているのがその証明だろう。

おそらく、多くの人が誤解したのは、アコーディオンが安易にバンドネオンの代用としてタンゴ(主にピアソラ)の演奏で使われたからだ。僕自身、アコーディオン奏者のコンサートで最後に演奏されたピアソラ作品を聴いて心底ガッカリしたことがある。そりゃそのまま置き換えたらバンドネオンに負けますよ。元々みんなバンドネオンの音色がイメージの中にインプットされているわけだし。その点、SalleGaveauは最初から発想が違う。アコーディオンの音色と機能、佐藤さんの演奏能力を前提とした音楽である。

最後に残された批判は、「こんなものはタンゴではない!」というものだろう。

そうかもね。

個人的には「タンゴバンド」と呼びたい気持ちはあるけど、とらえ方は人それぞれでいいんじゃないでしょうか。本人達もこだわってなさそうだし。

それにだね、そういう言われ方こそ、ピアソラっぽくてかっこいいじゃん!

【追記】eijiさんの素晴らしいライブレポートにリンクを張っておきます→こちら

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Comments

江古田のBuddyはよく行きます。
小松亮太&タンギスツの名演を始め
タンゴの演奏もあったりしてなかなか
幅の広いジャンルを扱っていますよね。

今回はタンギスツのギタリストでもあった
鬼怒無月さんのバンドということで、
かなりエレクトリックなタンゴが聴けたのでは
ないかと思います。

ポストモダンタンゴという呼び方が正しいかは
わかりませんが、ピアソラ没後のタンゴブーム
にのって、新たなタンゴの潮流が生まれたのは
確かだと思います。

この潮流がどのように変遷していくのか。
まだまだ話題は尽きないですね。。。

Posted by: ponty | 2005.09.18 at 11:00 AM

コメントありがとうございます。
SalleGaveauに限って言えば、「タンゴブームにのって」出てきたわけではなくて別の流れだと思いますけどね。鬼怒さんにしろ喜多さんにしろ、ブームと関係なくタンゴを始めてずっと独自のスタイルでやってきたわけですし、第一今のところお客さんは個々のメンバーのファンが中心で、他のタンゴライブで見かけるようなタンゴファンらしき方々はほとんど来ません。クアトロシエントスが対バンだとタンゴファンも来るでしょうから、どういう反応を示されるか興味深いですね。
鬼怒さんはタンギスツではエレキ中心だったのかな?SalleGaveauではアコギもけっこう使っています。

Posted by: tokunaga | 2005.09.19 at 09:48 AM

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