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2005.11.28

平成17年度「現代パフォーミングアーツ入門」第7回(11月28日)~ジャズのいろいろな形

先週は休講だったので2週間ぶりになります。

[DVD]ハービー・ハンコック「Future 2 Future Live」より「Wisdom~Kebero」、ドラムソロ、ターンテーブルソロ(「This is DJ Disk」より)、「Rockit」
*2002年のライブ。ターンテーブル奏者のDJ Disk、女性ドラマーテリ・リン・キャリントンらが参加。
*「Rockit」は83年のアルバム「Future Shock」より。懐かしいっすね・・・。あのショッキングなPVがまた観たいと思うのだけどDVDで発売されないんでしょうか?

[DVD]ウェザーリポート「YOUNG AND FINE LIVE!」より「TEEN TOWN」、ベースソロ、「BIRDLAND」など(以上3限のみ)。
*前回5限のみ流したもの。コメントは前回のものを参照のこと。

[DVD]ミシェル・ペトルチアーニ「Power of Three」より「Limbo」(3限のみ)、「In a Sentimental Mood」「Morning Blues」(5限のみ)
*1986年、モントルージャズフェスティバルでの特別セッション。
*ペトルチアーニは1999年に36歳で死去。ってことはこの映像の時点で23歳ですね。

[DVD]音楽ドキュメンタリー映画「Calle 54」(2000年公開)よりミッシェル・カミロ(pf)トリオ、チューチョ・バルデス(pf)の演奏。
*ミシェル・カミロ・トリオのドラムはオラシオ・エルナンデス。渡辺香津美MoBOPトリオのときもそうでしたが、まさに両手両足を最大限駆使した演奏。カウベルの音はどこから?と思っていると、左足のペダルで叩いていることがわかります。ベースのアンソニー・ジャクソンは脳梗塞で倒れてから復帰後。
*チューチョ・バルデスのテクニックはやっぱ凄まじいですね。速弾きしても音がつぶれてなくて音色がきれいだし。

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2005.11.23

ライブ・公演情報(2005年11月下旬~12月中旬)

11月18日(金)~12月4日(日)
青年団 『砂と兵隊』@こまばアゴラ劇場
*注目の平田オリザ新作。チケット引換券使用可。17日の朝日夕刊に紹介記事が載ってましたね。

11月20日~12月4日
燐光群「パーマネント・ウェイ」@三軒茶屋シアタートラム


11月23日
おしゃれジプシィ@世田谷美術館
*喜多直毅(vln)参加の、アラブ民族楽器を取り入れたアコースティックプログレバンド。世田谷美術館で開催されている美術展「宮殿とモスクの至宝」関連企画で、3000円で展示と両方楽しめてお薦めです。
■鬼怒無月(g)有田純弘(バンジョー、g)佐藤芳明(acc)@大泉学園inF
*おしゃれジプシィは昼間なので夜はこちらにハシゴしようっと。

11月24日
ブラックベルベッツ@舞浜クラブイクスピアリ
*田中邦和(sax)参加のインストムード音楽バンド・・・なのだけど今回はゲストに三上博史!
TATOPANI(タトパニ)@六本木スウィートベイジル139
*New CD 「アズール」の記念発売コンサート。
■VOYAGE(野呂一生・仙道さおり・和泉宏隆プロジェクト)@目黒ブルースアレイ

11月25日
■喜多直毅(vln),伊藤芳輝(gt),Christpher Hardy(perc),佐藤芳明(acc),吉野弘志(bass)@大塚グレコ

11月29日
■酒井俊vo、内橋和久g、外山明ds@桜木町ドルフィー

12月1日
■VOYAGE(野呂一生・仙道さおり・和泉宏隆プロジェクト)@六本木スウィートベイジル139

12月3日
■unbeltipo trio@関内ストーミーマンデー

12月5日
■三好“三吉”功郎(g)太田惠資(vn)吉見征樹(tabla)@大泉学園inF

12月6日
■竹内永和(g)&坪川真理子(g)@西荻窪・奇聞屋(きぶんや)

12月7日
■太田恵資vln、喜多直毅vln、黒田京子p@大泉学園inF

12月8日
■岸本 一遥(Fiddle) / TARO(mandolin) / 有田 純弘(banjo) / 吉田 宏冶(drums) / bass未定@中目黒楽屋
■Sax:井上淑彦 Acc:佐藤芳明@大泉学園inF

12月9日
■unbeltipo trio@新宿ピットイン
*元ティポグラフィカ今堀恒雄さんの最新プロジェクト。

12月10日
■趙静(チェロ)&大萩康司(ギター)@@和光市民文化センター*S席3000円・A席2000円が学生だと1000円引きらしい。東京公演の1/3以下!

12月11日
■さがゆきvo、喜多直毅vln、渋谷毅p@下北沢レディジェーン

12月13日
■彼岸の此岸(吉野弘志b、太田惠資vln、吉見征樹tabla)ゲスト:鬼怒無月g@西荻窪・音や金時
■ORQUESTA NUDGE! NUDGE!@森下文化センター

12月14日
■『エル・タンゴ・ビーボ』熊田洋(p)東谷健司(b)+北村聡(バンドネオン)@大泉学園inF

12月15日
■内橋和久、ハンス・ライヒェル@新宿ピットイン

12月16日
■Anima Mundi session 芳垣安洋perc、岡部洋一perc、高良久美子perc、内橋和久g@新宿ピットイン
■POT HEADS(佐藤芳明acc・鳥越啓介b・田中栄二ds)@高円寺ペンギンハウス

12月17日
■鈴木大介ギター・エラボレーション@代々木公園(千代田線)白寿ホール
*ギター・パースペクティヴ Vol.6 「礼讃」 。バッハ、ピアソラ、ビラロボスからなる素晴らしいプログラム!チケット価格が2000円~4000円と良心的。
■VINCENT ATMICUS@新宿ピットイン

12月18日
■EMERGENCY!+板橋文夫p@新宿ピットイン
■駒場東大前orchad barで開店3周年記念パーティ(15時~)
*CD-Jマシンが導入されるということで、手持ちのお気に入りCD持って駆けつけます。DJデビューか?冷やかしに来たい方はどうぞ。
KUALA MUTE GEEK VOL.4@六本木SuperDelux
*出演 : 内橋和久+Hans Reichel, Carl Stone, opitope。すごい豪華メンバー!

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2005.11.18

ヤマンドゥ・コスタYamandu Costa(g)、チアゴ・エスピリート・サントThiago Espirito Santo(b) 、エドゥ・ヒベイロEdu Ribeiro(dr,perc)が生み出す究極のギター・ミュージックについて沈黙してるわけにはいかない

ハファエル・ハベーロが亡くなったのは何年前のことだろう?ともかく、この超絶7弦ギタリストの存在を知って興奮してから間もなく、彼は夭逝してしまった。

ショックだった。もうこんなすごいギタリストに出会えるチャンスは当分ないだろうと思った。

ところが。

ヤマンドゥ・コスタが彗星のように現れたのだ。
(続く)

続き。
アコーディオン奏者の佐藤芳明さんから「ヤマンドゥ・コスタという凄いギタリストがいる」というお話を伺って、さっそくCDを買い求めたのが昨年のこと。

ほう、こりゃすごい。まさしくハベーロの再来か!

でも正直に言えば、僕はやっぱりハベーロの方に思いいれがあった。晩年というにはあまりに若い、しかしすでに死を覚悟した(輸血によりHIV感染)30歳前後の演奏。最晩年のソロアルバムで、超絶テクを封印して切々と弾いたショーロのなんと味わい深いことよ。

対する天才少年ヤマンドゥは、テクニックこそハベーロ並みにすごいけどイマイチ洗練されてないかな、と。でもまだ20代前半だし、これから成熟していけば楽しみだなあ、なんてノンキに考えていた。

あまりに衝撃的なライブを目の当たりにしてしまった今となっては、まったく浅はかだったと言わざるを得ない。ハベーロも間違いなく天才ギタリストだったけど、ヤマンドゥ・コスタ(と彼のトリオ)の音楽はひょっとすると、ブラジル音楽、南米音楽といった枠を超えて世界の音楽シーンを震撼させる可能性を持っている。


なかなか本題のライブレポートに入れないけど、その前にもう一呼吸置かせてください。
続く

続き。
やっと落ち着いてきました。大事なことを伝えるときこそ、冷静にならなくてはいけない。「世界の音楽シーンを震撼させる」なんて、もちろんちょっと大げさすぎる。言いたかったのは、「○○音楽」といったジャンルの枠にとらわれて考えると本質を見誤るということだ。

そもそも、一体これのどこが「ブラジル音楽」なのだ?もちろんショーロやサンバのリズムは出てくるしジョビンをはじめブラジル人の曲をやっている。しかしそんなものは個々の「パーツ」に過ぎない。「曲」はあるのだが、一定の型というものが存在しないのだ。アレンジもユニークだし、曲の途中で(おそらく)即興的にどんどん変化しながら展開する。全部即興か?と思っているとものすごいキメが。

その自由さこそ、ヨーロッパやアフリカの要素を吸収しつつ発展した南米音楽の本質なのだ、と言ってしまえばその通りなのかもしれない。ライブを聴きながら連想したのはエグベルト・ジスモンチである。アカデミックな音楽教育をまったく受けていないヤマンドゥ・コスタの演奏にはジスモンチほどの構築感はないのだけど、この複雑さはどうだ。決して感性だけに頼って組み立てているわけでないだろう。

ああそういえば、ジスモンチの生演奏を始めて目の当たりにしたときも、こんな風に興奮しっ放しだったっけ。

そして。

もうひとつ、強調しておきたいことがある。

ヤマンドゥの演奏にもびっくりしたけど、彼が(予想以上のレベルだったとはいえ)天才なのはわかっていた。ある意味さらに衝撃的だったのはチアゴ・エスピリート・サントThiago Espirito Santoのベースである。

ほとんどの「天才」は、そのあまりの能力ゆえに、周囲の人間と釣り合わないという悩みを抱えている。同じ南米の天才ギタリスト、フアンホ・ドミンゲスのバンドの彼以外のメンバーが誰かなんて、誰も気にしちゃいないだろう(ただしフアンホ自身は仲間をとても大切にしていて、「このメンバーでやることが重要だ」と言っていたけど)。

だが驚くべきことに、ヤマンドゥ・コスタ・トリオは彼一人のバンドではない。チアゴはヤマンドゥと完全に対等に渡り合う。「サポート」という印象を与えないのだ。テクニック的にはジャコ・パストリアス的な和音使いのセンスに加え、スラッピングの語法も多彩。現代的なエレクトリック・ベース奏法のすべてをマスターしている。ヤマンドゥが暴れだせば、すぐさま反応して追随。ヤマンドゥのオフィシャルサイトで「タキート・ミリタール」の高速ユニゾンが見られるけど、あんなの序の口ですよ。

実はチアゴとは開演前に少し話すことができた。英語も達者で、知性的でシャイな雰囲気を漂わせる好青年。いかにも怪物然としたヤマンドゥ(ちなみに英語はまったく通じず)と対照的だ。ライブでの超絶演奏とのギャップがすごい。終演後サインをもらうときに「君らみんなgeniusだよ!」といったら本当に嬉しそうな顔をしていた。誰でもそう思うってば!

ヤマンドゥとチアゴのコンビネーションが生む相乗効果、強烈なグルーヴ。これは長年音楽を聴いていても初めて体験するものだった。もちろんそれをしっかりフォローするエドゥ・ヒベイロEdu Ribeiroのドラムも素晴らしく、トリオとしての一体感も最高。でもすみません、ヤマンドゥ&チアゴがあまりに強烈だったので、相対的に「普通の人」に見えてしまいました。ちなみにこの人も大物ミュージシャンから引っ張りだこの、超売れっ子「若手」(30歳くらい)ドラマーらしいのだけど・・・

ヤマンドゥとチアゴはまだ20代半ば。まったく、とんでもない才能が次々に現れるものだ。


こういうことがあるから、「昔は良かった」なんてしたり顔で話す年寄りは絶対に信じてはいけない。21世紀はきっと、もっと面白くなる。国際情勢や自然環境は心配だけど、音楽だけは。

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2005.11.15

21世紀最高のアコースティック・ギタリストはヤマンドゥ・コスタで決まり

でしょ?あと95年あるけど、そんなに待つ必要ある?
(続く)

(続き)
・・・というのは大げさだとしてもですよ、そう言いたくなる気持ちは、あのとんでもないライブを観た人ならわかってもらえると思う。

ちょっと落ち着いてから、あらためてじっくり書きます。

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2005.11.14

平成17年度「現代パフォーミングアーツ入門」第6回(11月14日)~日本のフュージョンを中心に

日本のフュージョンバンドいろいろ。「CROSS OVER JAPAN'03」以降はすべて日本のフュージョン。

[CD]スパンクハッピー「ANGELIC」「拝啓 ミス・インターナショナル」(マキシシングル)(3限のみ)
*菊地成孔によるポップスユニット。メインボーカルボーカル岩澤瞳とのデュオユニット
*菊地さんは作詞(!)作曲、演奏(バックトラック制作)からボーカルまで担当。

[CD]リー・リトナー「FEEL THE NIGHT」よりタイトル曲(3限のみ)
*79年の作品。リトナーは代表的なフュージョンギタリストですが、先ごろ歌手の杏里と結婚して話題になりました。

[DVD]ウェザーリポート「YOUNG AND FINE LIVE!」より「TEEN TOWN」、ベースソロ、「BIRDLAND」など(以上5限のみ)
*ジョー・ザヴィヌル(key)&ウェイン・ショーター(sax)を中心とするフュージョンバンドの78年のライブ。
*クロスオーバー/フュージョンの最重要バンドの一つ。当時はベースがジャコ・パストリアス。
*「BIRDLAND」はマンハッタン・トランスファーによるボーカルヴァージョンもヒットしかなり有名。

[DVD]「CROSS OVER JAPAN'03」より
*2003年に実施された日本のクロスオーバー/フュージョンバンドによるフェスティバル。
*いずれも80年代のフュージョンブームの頃人気を博したバンド。現役のバンドも多いが敢えて昔の曲を中心に演奏している。
●カシオペア「ASAYAKE」(3限のみ)、「GALACTIC FUNC」、「TAKE ME」(5限のみ)
●スクエア「TRUTH」(3限のみ)、「EUROSTAR」「OMENS OF LOVE」のさわり(以上5限のみ)
*「TRUTH」はフジテレビF1中継のテーマ曲としてお馴染み。
●ナニワ・エキスプレス「BELIEVIN'」(3限のみ)、「BETWEEN THE SKY」(5限のみ)
*その名の通り関西出身のバンド。長らく休止状態だったが
●パラシュート「HERCULES」(3限のみ)、「NE-ON」
*スタジオ系のトップミュージシャン達が結成したバンド。松原正樹&今剛の

[DVD]プリズム「PRISM LIVE!」より「TREMBLIN'」(3限のみ)、「KARMA」(5限のみ)
*和田アキラ(g)を中心とする(プログレ)フュージョンバンド。
*歴代メンバーがゲスト参加した2004年のライブより。

[DVD]DIMENSION「BEST LIVE SELECTION」より「DOUBLE MARKET」
*フュージョンブームが過ぎ去った90年代に結成したバンド。遅れて出てきた分、過去のバンドの「いいとこ取り」をしている印象があります。
*増崎孝司(g)、小野塚晃(key)、勝田一樹(sax)によるフュージョンユニットのライブビデオ集。
*メンバーは現在40歳前後で、「CROSS OVER JAPAN'03」の出演バンドより一世代下。
*「DOUBLE MARKET」は99年のライブより。ドラムは神保彰。

[CD]三好'3吉'功郎(g)&小野塚晃(pf)「First Touch」より「HYOCKORRY」(3限のみ)、「NEW BLUES」(5限のみ)
*ギター&ピアノによるアコースティックユニット。CDは先週発売されたばかり。
*「HYOCKORRY」は「ひょっこりひょうたん島」のテーマ。

[CD]上原ひろみ「ANOTHER MIND」より「XYZ」のさわり(3限のみ)
[DVD]最新CD「SPIRAL」に付属のボーナス盤より「KANFU-WORLD CHAMPION」
*上原ひろみは一昨年アメリカのメジャーレーベルよりいきなり世界デビュー。日本でも日本盤より先に輸入盤が並びました。
*「KANFU~」は1つ前のアルバムの1曲目。2005年5月のライブ映像。

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2005.11.07

平成17年度「現代パフォーミングアーツ入門」第5回(11月7日)~渡辺香津美を中心に

前回反応が良かった渡辺香津美の80年代の作品をいくつか。さらに同時代のフュージョン作品へ。

[DVD]ROVO「Live at 日比谷野音 2004.05.05」より

[DVD]本田美奈子「アメイジング・グレイス」より「アメイジング・グレイス」「白鳥」
*徳永と同世代の元アイドル歌手。その後ミュージカル歌手→Jクラシック路線へ。
*10月に発売されたばかりのDVD付ミニアルバム。特にファンじゃなかったけど訃報に接し思わず購入。
*「アメイジング~」は約1年前のライブ映像。当時37歳ですが、やっぱかわいいっすね。

[CD]渡辺香津美「MOBO」より「Voyage」「All Beets Are Coming」
*83年発売の早すぎた名盤。マーカス・ミラー(b)、スライ&ロビー、マイケル・ブレッカー(sax)、ケイ赤城らが参加。
*「Voyage」でピアノを弾いているケイ赤城は当時は日本ではほとんど知られていませんでしたが、その後最晩年のマイルスグループに参加。
*「Voyage」はフュージョン的ですが、「All Beets~」は90年代以降のクラブ系ジャズを完全に先取りしていたと思います。あのベースラインは癖になる。

[CD]渡辺香津美「MOBO倶楽部」より「風連」(5限のみ)、「つるかめひなタンゴ」
*「MOBO」に続き84年に発売されたアルバム。

[CD]パット・メセニー「SECRET STORY」より「AS A FLOWER BLOSSOMS」
*矢野顕子が参加し日本語で歌っている。

[LD]STEPS AHEAD「ステップス・アヘッド ライブ」より「TRAINS」「EWI SOLO」(5限のみ)
*マイク・マニエリ(ビブラフォン)&マイケル・ブレッカー(sax, EWI)を中心とするフュージョンバンド。86年のライブ。
*あらためて聴くとショボい部分もあるけど、「TRAINS」(マイケル・ブレッカー作曲)はやっぱいい曲じゃないでしょうか。
*EWIは日本のAKAIが開発した管楽器用シンセサイザー(厳密にはコントローラー)。

[VHS]「RETURN OF THE BRECKER BROTHERS」より「SONG FOR BARRY」
*70年代末に一世を風靡したフュージョンバンドが90年代に再結成したときのライブ。
*オリジナルメンバーはブレッカー兄弟(兄ランディtp、弟マイケルsax)のみだが新メンバーのマイク・スターン(g)、デニス・チェンバース(ds)が強力。
*なぜかDVD化されていないようなのでけっこう貴重かも(このメンツなら絶対売れそうなのに!)。
*最初はクリーン・トーンで比較的淡々とソロを弾いているスターンが最後に爆発するところは圧巻ですね。

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2005.11.06

松尾俊介デビューリサイタルを聴いていろいろ考えてしまったのだけど、それは演奏が素晴らしかったからこそなのです

6日昼、クラシックギター界期待の新星、松尾俊介さんのデビューリサイタルを聴きにトッパンホールへ。

松尾さんは79年生まれというから大萩康司さん、村治佳織さんより1つ若い。パリ国立高等音楽院(コンセルヴァトワール)ギター科を卒業しており、大萩さんの後輩ということになる。ちなみに佳織さんや福田進一さんが卒業したのはエコール・ノルマル。どちらが偉いということはないのだけど、年齢制限などもあって入りにくいのは国立高等音楽院の方。

日本のクラシックギター界にパリ留学経験者は少なくないけど、実は国立高等音楽院で学んだ人は少なく、僕が知っている限りでは大萩さん以前では稲垣稔さん、金谷幸三さんくらい。彼らの演奏を聴くと、やはり全世界から優れた才能が集まるパリで厳しい選抜を突破しただけのことはあるなあ、と思わざるを得ない。

いやいや経歴なんぞにとらわれてはいけない・・・と自省すべきところだが、この日の松尾さんはというと、「さすがコンセルヴァトワール首席!」と唸らされるような演奏なのでした。

デビューCD「ヴァリエ1」に寄せられた福田進一さんのコメントは「「技巧」ではなく「音楽」で聴き手を圧倒する」というもの。まったくその通りだとは思うのだけど、それって大萩さんにもそっくりあてはまるじゃん、とツッコミを入れたくなったのは僕だけだろうか(笑)。

大萩さんも松尾さんも決して技巧が見劣りするわけではない。技巧的な曲を弾いても「技巧」を前面に出さずに音楽を聞かせることができる、という意味であり、それは優れた技巧を備えていればこそ可能なのだ。

むしろ松尾さんの場合、逆説的だが、しっかりと音楽性に裏づけされた「技巧」が印象に残った。「音楽性」は当たり前として、そこに上積みされたものとして感じられる技巧である。ひとことで言えば力強く、芯の太い演奏。安定感抜群。大げさでない自然なダイナミクスの揺れが心地よく、全体的な音量もすごい。ロマニリョスってこんなによく鳴る楽器だったのか?

ギター界に「新人賞」があったなら、今年は松尾さんで決まりである。すでに「有望な新人」というレベルは超えている。しかも年齢的に考えて、まだまだ成長する可能性十分なのだ。あとは、この魅力をどうやって伝えていくかだなあ。

って専門誌(現代ギター)に執筆している立場上、全然他人ごとじゃないんだけど。しかし大萩さんが絶賛すればそれだけで意味があるけど、僕なんぞがありきたりな言葉で少々誉めたところで、何の重みがあるだろう?この記事のアップが遅れた理由のひとつはそういうこと。

いくら実力があったところで、村治佳織、大萩康司、木村大といった同世代のスター達がひしめく中で、新にポジションを獲得するのは容易なことではない。しかし彼にはその可能性がある。やっぱりありきたりだけれども、それだけは言っておこう。


夜はROVO@恵比寿リキッドルームへ。ピアノの林正樹さんが加わって5人編成になった新生Salle Gaveau@池袋にも惹かれたが、授業で「ROVOかっこいいだろ、こういうのは生で聴かなきゃねー」と言った手前もある。新たな境地を感じさせる新曲などが聴けてよかったけど、寝不足でスタンディングはこたえてフラフラ。後でeijiさんのblogを見たらやはりSalle Gaveauも凄かったらしい。14日が楽しみ。

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