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2005.12.08

11月のライブその他覚書(さがゆき、森山良子、会田桃子、鬼怒無月、喜多直毅他)

11月9日
「See you in a dream」(中村八大名曲集)発売記念ライブ さがゆきvo、大友良英g、渋谷毅p、坂本弘道cello、近藤達郎kb、栗原正己b&recorder、関島岳郎tuba&b-recorder、芳垣安洋ds、高良久美子vib@新宿ピットイン
「上を向いて歩こう」「夢で会いましょう」の中村八大である。その本格的な作品集が、このメンバーでレコーディングされたということが素晴らしい。関係者に心から賞賛を送りたい。さほど広くないピットインはさすがにギュウギュウ。さがゆきさんは晩年の中村八大さんの専属歌手を勤めておられたとのこと。もちろん巧さもあるのだけど、艶っぽい歌から少女っぽい歌までサマになっていて無理がないんだよなあ。まさにミラクルボイス。そんなさがゆきさんも参加している喜多直毅さんの新譜(produced by俺・発売は来年)も皆さん注目してね。

11月12日
森山良子コンサート@文京シビックホール
バックをつとめるギタリスト三好功郎さんに取材した関係でご招待いただく。ありがたや・・・チケットは完売でPA横の特別席でした。必要最小限の演出、最高のバックバンド(三好さんgの他、渡辺貞夫グループの納浩一b、小野塚晃keyら)。普段メジャーな歌手など目もくれない僕だけど、こういう人が世代を超えて愛されるのは大いに納得。生「さとうきび畑」はやっぱ感動しますよ。「涙そうそう」で号泣していた隣の女の子に思わずもらい泣き。亡くなったお父さんのことを思い出したんだそうな。そういう力のある歌って素晴らしい、とつくづく思う。だから逆説的に思うのだ。心に響いてこない歌なんかいらない。インストでいいよ。

11月14日
会田桃子(vln)クワトロシエントス&鬼怒無月(g)Salle Gaveau@江古田バディ
待望の新世代タンゴ対決ライブ。いやもうまったくもって期待通り。Salle Gaveauのメンバーもう一度書いときますよ。鬼怒無月(g) 、喜多直毅(vn) 、佐藤芳明(acc)、鳥越啓介(b)、林正樹(pf) 。タンゴに対するジャズロック的なアプローチを考えたら、これ以上のメンバーは考えられない。パリに乗り込んでリシャール・ガリアーノのバンドと対決して欲しいぞ。喜多直毅さんの新譜にDUOバージョンで収録される「かわいい曲(仮)」も演奏された。やっぱいい曲だなあ。両バンドを掛け持ちする林さんが合同セッションのために書き下ろした「800%」がまた素晴らしかった。クワトロシエントスが4人だから延べ9人だけど林さんが重複しているので計8人。ちゃんと8人のためのアンサンブルになっている。この作曲センスは本当にすごい。それにしても、客層は見事に若かった・・・。SalleGaveuのライブとしては普通なのだけど、前回の会田さんのライブ(たまたま同会場)と比べると。

11月23日
おしゃれジプシィ@世田谷美術館・・・はチケット完売で入れず。まあ遅く行ったのが悪いのだけど。あまりのショックで、受付で随分ゴネてしまった。立ち見でいいから、といくら言っても美術館の担当職員は「管理運営上の都合」で押し通す。後になってチラっと見えた会場内は確かに一杯で、実際立ち見もきつかったかもしれない。しかしせめて、「これ以上入れたら本当に危険です」ぐらいのことは言ってくれたら納得しやすいのにね。

おしゃれジプシィはもちろん素晴らしいバンドなのだが(特に喜多さんがアドリブでガンガン弾きまくるライブ盤はすごいぞ!)、いつもこんなにお客さんを集められるわけではない。「あと一人」のお客さんがものすごく貴重なことだってあるのだ。そりゃどんなに無理をしてもどこかに限界はある。だが「どうしても観たい」という人を拒絶することの重みを、ちゃんと考えてくれているだろうか。いかにも「マニュアル通り」な対応に、複雑な思い。

気を取り直して夜は鬼怒無月(g)有田純弘(バンジョー、g)佐藤芳明(acc)@大泉学園inFへ。今回は特に有田さんに注目。知る人ぞ知るバンジョー&ギターの名手である。バンジョーで「ジャイアントステップス」(コード進行が複雑で難曲として知られるスタンダード曲)弾いちゃうのである。素晴らしいパフォーマンスと絶品の日本酒、と日本酒に抜群に合う「牡蠣酢」に、思わず顔が緩む。


11月某日
都内某スタジオで喜多直毅さんの新譜レコーディング最終日見学。この日は黒田京子さん(pf)、佐藤芳明さん(acc)、クリストファー・ハーディさん(per)が参加。みなさんさすがにもう慣れたもので・・・と思ったら喜多さんがレコーディング用にアレンジをいじったりしていて、ご苦労されている様子。それでも短時間のリハーサルで完璧にこなしてしまうのだけど。「難しい、難しい」と言いながら楽しんで?演奏されている様子が伝わってきて、聴いている方もワクワクする。後日仮ミックスされたものも聴かせていただいたけど、これは凄いですよ。「こんなアルバム、誰が買うんだ!?」って思うぐらい凄い(笑)。

いや真面目な話、個性的な音楽ほど説明しにくく、ジャンル分けも不明で売り込みにくいというのが現実。売るためには「(ジャン=リュック・ポンティ+シャンカール+フェルナンド・スアレス=パス)÷3=喜多直毅」ぐらいのことは言わないといけないのか。バカバカしいけど。当たらずと言えども遠からず、だが、喜多さんは喜多さんだ。そういった世界の巨匠達にもないものがあるからこそ強く惹きつけられる。

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