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2005.12.29

2005年の締めくくりに相応しい名演だった大萩康司と松尾俊介のブローウェル

12月29日、六本木スウィートベイジル139で定例の大萩康司(g)コンサート。今回はパリ・コンセルヴァトワールの後輩、松尾俊介(g)がゲスト。

スウィートベイジル139は以前から様々なジャンルの音楽を扱っておりクラシックも例外ではないけれど、大萩さんのように定期的(ほぼ半年に一度)に公演しているケースは珍しいだろう。

ライブハウスでのクラシック演奏についてはデメリットもないわけではないけれど(この日も途中で原因不明の不快なノイズが!)、リスナー側の選択肢が増えるのだから基本的に歓迎すべきだ。平日午後8時開演、というだけでも相当ありがたい。この日は年末だしたまたま僕は早く来られたけど、普通に仕事してたら「7時開演」に間に合うのは相当キツイでしょう?まあ1時間開演を遅らせるくらい、ライブハウスでなくても工夫次第で可能と思うけど・・・

「何でもアリ」な雰囲気を醸し出すのもライブハウスのいいところだけど、それにしてもこの日はかなり掟破り。2重奏をするために同業者をゲストに招くのは珍しいことではない。しかし驚いたことにこの日は、ゲストの松尾俊介さんに対してソロコーナーまで用意したのだ。

たとえば歳の離れた後輩に、先輩として花を持たせるってのならわかる。しかし松尾さんは大萩さんのわずか一歳下で、同世代のライバルと目されて然るべき存在。しかも、その実力がハンパじゃない。並のギタリストなら、

まともに勝負するのはヤバイ!

ぐらいのことは考えても不思議じゃないところだ。天然キャラの大萩さんにそういう計算が働かないのは想像がつくけど(笑)、ビクターは相当な太っ腹だな、というのがまず思ったこと。

松尾さんも松尾さんだよ。せっかくもらったソロコーナーで弾いた曲がブローウェルの「タラントス」。バリバリの現代作品である。甘い旋律で(おそらく会場の9割以上を占める)若い女性客のハートをゲット!とか考えなかったのか?いや愉快愉快。ワイン飲みながら、こんな極上の「タラントス」が聴けるとは思わなかったなあ。

でもって表題の「ミクロ・ピエサス」。これまでにアサド兄弟を含め数多くの名手達のデュオで聴いてきたけど、その中でも最上級の演奏であったと断言できる。デュオというのは個々の実力が優れているからといってうまくいくとは限らず、だからこそ面白い。大萩さんと松尾さんは、特にタイプが似ているというわけではないのだけど、音楽的に深い部分で共鳴しているのだろうな。二人の「イメージ」がぴったり合致して、それを実現するためのテクニックと音楽性を双方が満たしていて・・・

大萩さんの演奏については過去に繰り返し言及してきた(これとかこれとか最近のこれとか)から、今回はいいでしょ。どっちがどう、ってわけじゃなくて、2つの才能が織り成す調和と緊張感の絶妙なバランス。これに尽きるのでした。

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Comments

はじめまして~★
わたしも、この日のSTBライブ行きました。

>松尾さんも松尾さんだよ。せっかくもらったソロコーナーで弾いた曲がブローウェルの「タラントス」。バリバリの現代作品である。甘い旋律で(おそらく会場の9割以上を占める)若い女性客のハートをゲット!とか考えなかったのか?

ココを読んで大爆笑してしまいました(=^・^=)
ホント松尾さん、渋い選曲ですよねぇ・・・なんで、あの曲選んだのか??がナゾです。
逆に、甘い旋律で酔わせてほしかったのに・・・笑

Posted by: 杏と蛍 | 2006.01.13 at 09:33 PM

杏と蛍さん、コメントありがとうございます。なぜタラントスか?そりゃ僕みたいなへそ曲がりのマニアに「松尾は女性客へのウケを狙って軟弱な曲を選んだ」と書かれないためでしょう!

Posted by: tokunaga | 2006.01.15 at 09:49 AM

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