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2006.07.26

inFが異空間になったかのような富樫春生と田中邦和の凄い音

inFが異空間になったかのような富樫春生と田中邦和の凄い音

え、inFのピアノこんなに鳴るの?っていう富樫さんの強烈なタッチ。音色も濁りがなくてクリアだし。

田中邦和もトレードマークのメガネを外して超本気モード。ブレスコントロールが相変わらず素晴らしい。唸る唸る。

二人とも音がデカく、結果的にすごくバランスがいい。あっけに取られる瞬間多数。ああ無理して来て良かったー

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2006.07.17

現代ギター6月号のコンサートレビュー(益田正洋他)を読んで思ったこと

もうすぐ8月号が出ようかという時期なのでものすごく今更感がありますが。

現代ギター6月号のコンサートレビュー(池田逸子氏による)は某来日ギタリストと益田正洋さん。僕も両方聴いているので興味深く読んだ。どちらもベタ褒めに近いのだけど、来日ギタリストの方は「次世代の巨匠、間違いなし」とまで言い切っている。それは言いすぎだろう、というのが率直な感想。特に僕が個人的に一番ガッカリしたピアソラを絶賛しているので驚いた。

ガッカリしたといっても演奏がまずかったわけではない。プログラムには「2つの小品(ピアソラ)」とあったので、てっきりソロギター用オリジナル(編曲でない)作品「5つの小品」から2つをピックアップするのだろうと思ったら、編曲ものだったのだ。この2曲以外はすべて「20世紀以降のオリジナルギター作品」で統一されていたので、ひどく浮いた選曲になってしまった。このギタリストは南米人ではないし、意図がまったく不明。演奏技術は文句のつけようがないけど、「だから何なんだ」という思いが拭えない。これらの曲をギターで弾くことによって何を伝えようとしているのか?「巨匠」たりうる人ならそこまで考えて欲しいのだけど。

とはいえ、これほど巧い演奏はそう聴けるものではない。その意味では一定の満足感は得られたし、次回の来日公演にも足を運ぶだろう。いくら池田さんのレビューが褒めすぎとは言っても、普通なら敢えてこの場で難癖を付けようとは思わない。問題はこのレビューが益田さんのコンサートのそれと並んで掲載されてしまったことだ。益田さんの方もかなり好意的に書かれているけど、思い入れの違いは明らか。多くの読者は「来日ギタリスト>益田さん」という印象を持ったことだろう。

だがはっきり言おう。僕は「日本人びいき」を抜きにしても益田さんのコンサートの方が格段に素晴らしいと思った。ソル、C=テデスコ、パガニーニ、ホセによる4つのソナタだけで構成されたプログラムも意欲的だし、何より演奏のコンセプトが明快。僕の理解が間違っていなければその一つは、「音楽性を失わない範囲で、楽曲のテクニカルな側面を極限まで追求する」というものだ。テデスコやホセの4楽章は「これ以上速く弾いたら単なる曲芸」というギリギリのところ。特に曲が被ったホセは来日ギタリストも相当速いテンポで弾いたが、益田さんの方が速かったと思われる(あくまで印象だが来日ギタリストの1週間後に益田さんの演奏を聴いているのでおそらく間違いない)。ゆっくりな部分は美しい音色で豊かに歌い、全体の流れも自然。楽曲の重厚さも相まって、「これぞクラシックギターの醍醐味」と言いたくなるような爽快感を覚えつつ、会場を後にした。

プログラムに関しては来日ミュージシャンの場合、「とにかくウケないと"次"がない」というプレッシャーから幕の内弁当的なものにならざるを得ない、という事情も考慮しなければならない。しかしただでさえ「外国人>日本人」という先入観を持たれやすいのがこの業界。ずいぶん時間が経ってしまったけれど、これだけは書いておきたかったのでした。


他にもいろいろ書きそびれているネタがあるけど、また後で。

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