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2009.12.16

平成21年度現代パフォーミングアーツ入門第10回(12月14日)~アルゼンチン(ピアソラ)からインド(シャクティ)へ

午前中の「芸術II」は石橋純先生によるベネズエラ音楽講座。
ゲストにアルパ奏者日下部由美さんとクアトロ奏者モリス・レイナさん。
ミニコンサート形式で、盛り上がりました!
個人的には、最後の曲での石橋先生の熱唱(!)がもっとも印象的でした。


アルゼンチンから日本を経由してインドへ。

[DVD]アストル・ピアソラ「Next Tango」より「アディオス・ノニーノ」(3限のみ)、「バンドネオン協奏曲」 (3限は冒頭のみ)
*1985年の収録

[DVD]アストル・ピアソラ「Five Tangos」より「ブエノスアイレスの冬」「エスクアロ」(以上3弦のみ)、「アディオス・ノニーノ」(5限のみ)
*1981年、ドイツでのスタジオライブ。

[DVD]Salle Gaveau(サルガヴォ)「Official Live Bootleg 2007」より「Alloy」、「カルカッタ」(5限のみ)
*鬼怒無月(g)率いる前衛タンゴ(もしくはアコースティック・プログレ)バンドの2007年3月のライブ。同年のフランス公演にて限定発売されたもの。
こちらの記事を参照のこと。メンバー全員強力です。
*ヴァイオリンの喜多氏はピアソラ5重奏団のヴァイオリニスト、フェルナンド・スアレスパスに師事した経験もありますが、ここでは完全に独自の世界。
*「カルカッタ」は軽い曲なので「軽かった」というシャレだそうで、インドのカルカッタとはまったく無関係。
*「タンゴの革命児」と呼ばれたピアソラの創造的精神を継承したバンドとして、世界的に見ても特に優れたものだと思います。

[DVD]Remember Shakti「The way of beauty」より76年、99年のライブ映像。
*ジョン・マクラフリン(g)とザキール・フセイン(タブラ)を中心とするインド音楽プロジェクト。
*76年はシャンカール(vln)を含むオリジナルメンバーの「シャクティ」(「remember」は付かない)。
*97年に再結成したのが「Remember Shakti」。99年にはシャンカールの代わりにマンドリンのシュリニヴァスが参加。その他ボーカル、サントゥール奏者、スライド・ギター奏者らがゲスト参加。

[CD-R]小沼ようすけ(g)ソロによる「Oleo」
[CD-R]小沼ようすけ(g)&喜多直毅(vln)による「Over The Rainbow」
*デュージャン・ボグダノビッチ(g)来日に際して2005年4月7日STB139で行われたセッションライブの一部。
*徳永はこのライブの企画に関わっていたのでスタッフから音源をコピーしてもらい、自分で編集しました。非売品ですが違法なものではありません!
*喜多氏は「ジャズヴァイオリニスト」ではありませんが、この演奏を聴いたら「ジャズヴァイオリニスト」の多くはビビるでしょうな。ちなみに「Over The Rainbow」は事前にもらっていた曲目リスト(一般観客には配布されていない)に載っておらず、非常に驚きました。当時喜多氏は綾戸智絵さんのバンドに参加する前で、ジャズ・スタンダードを演奏する機会はほとんど無かったのだからなおさらです。1st setが終わってちょっと客席の雰囲気が硬いと感じ、休憩時間に「何かスタンダードでもやろうか」と相談して急遽演奏したそうな。当然リハなし・一発勝負。
*小沼ようすけさんは本年度の特別コンサートにて演奏していただく予定です。

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2009.12.09

平成21年度現代パフォーミングアーツ入門第9回(12月7日)~ブラジル音楽いろいろ

午前中の 「芸術II」講師はアリエル・アッセルボーンさんでした。授業の中で演奏してくださった曲目は以下の通り。

1)エスティーロ・パンペアーノ Estilo pampeano(アベル・フレウリ Abel Fleury)
2)マランボのリズム Malambo
3)ケーナによる北部民謡(作者不詳)
4)少女たちのあそび El juego de las ninas(アリエル・アッセルボーン)
5)フフイの雨が好き Me gusta Jujuy cuando llueve(イアコペティMiguel Iacopetti /カスティージョYunes Castillo)
6)十一月の月 Luna de noviembre(作曲アッセルボーンAriel Asselborn/作詞ブリグノネ Reinaldo Brignone)

4)はチャランゴによる演奏でした。

アルゼンチンに黒人が少ない理由など、実はよくわかっていなかったのだけど、きちんと説明してくださいました。アッセルボーン家の家系図も面白い!平野雪子さんの通訳も素晴らしかった。

次回は石橋純先生によるベネズエラ音楽講座。
ゲストにアルパ奏者の日下部由美さん、クアトロ奏者のモリス・レイナさん。


「現代パ~」はブラジル音楽。 ただし典型的なサンバ、ボサノバ等はほとんど無し。
(ほぼ5限の授業に基づいた順序なので3限の人は注意してください)

[DVD]セザール・カマルゴ・マリアーノ(pf)&ホメロ・ルバンボ(g)「DUO」より「Samambaia」を含む数曲(3限は「Samambaia」のみ)
*ブラジル人ピアニスト&ギタリストによるデュオ。
*「Samambaia」はヨーヨーマを始め多くのミュージシャンによりカバーされているマリアーノの代表曲。
*「ホメロ」はRomeroと綴ります。ポルトガル語では先頭のRがHのような発音になるらしい。

[DVD]Yamandu Costa「Ao Vivo」(05年)より「Tareco No.2」「Chamame」「Disparrada」
*ブラジルの若き天才ギタリスト。ベースThiago Espirito Santoも超絶。
*「Chamame」(チャマメまたはシャマメ)とはアルゼンチンやブラジル南部に見られるスタイル(ただしこの曲はヤマンドゥ・コスタのオリジナル)。アコーディオンとのデュオで演奏。

[DVD]Richard Galliano & tangaria quartet「Live in Marciac 2006」より
「SERTAO」「Disparada」「Chorinho Pra Ele」
「Traditionnel Venezuelien~Gigue De La Suite No.2 En Re Mineur De J.S.Bach」
*「Disparada」はHamilton de Holandaのバンドリン(ブラジルのマンドリン)によるソロ演奏。
*「Chorinho Pra Ele」はガリアーノとHamilton de Holanda(バンドリン)とのデュオによる演奏。作曲者はブラジルの鬼才エルメート・パスコアル。
*ヴァイオリンのAlexis CardenasとパーカッションのRafael Mejiasはベネズエラ人で、「Traditionnel Venezuelien~…」はこの二人のデュオによる演奏。

Disparadaのオリジナル・ヴァージョン(たぶん)はこちら

[TV]エグベルト・ジスモンチ(+東フィル)「フォホボドー」「アマゾンの密林」
*2007年7月3日の来日公演で収録されたもの。会場は紀尾井ホール
*フルート斎藤和志さんもオケに参加、大活躍でした。
*ジスモンチは前半にピアノ、後半ではギターを演奏(アンコールで再びピアノ)。
*「アマゾンの密林」は12弦ギターソロでした。

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2009.12.01

平成21年度現代パフォーミングアーツ入門第8回(11月30日) ~さまざまな形のジャズとその周辺の音楽

午前中の「芸術II」は笹久保伸さんによるペルー音楽講座。「あいまいなものをあいまいなまま理解する」という言葉が印象に残った。体系化されていないものを、強引に「こういうもの」と決めつけるのは良くない。

来週はいよいよアリエル・アッセルボーンさんによる授業です。

以下「現代パ~」の内容。

[DVD]「DAS WEIMARER DREIECK DES ZEITGENOSSISCHEN JAZZ」よりMarc Ducret Trio「Porteures des Lanternes」(3限のみ)
*2007年収録。現代のフランス・ジャズシーンを代表するギタリスト、マルク・デュクレのトリオ。

[DVD]Trio Rypdal, Vitouus & Gurtu「Live in Stuttgart」より「The Return Of Per Ulv」
*94年のライブ。ノルウェー人テリエ・リプダル(ギター)、インド人トリロク・グルトゥ(パーカッション)、チェコ出身ミロスラフ・ヴィトウス(ベース)によるトリオ。 (3限のときリプダルのことを間違えて「スウェーデン人」と言ったかもしれません)
*グルトゥはジョン・マクラフリンのバンド、ヴィトウスはウェザーリポートやチック・コリアのトリオに在籍。

[DVD]Alan Holdsworth他「Live At Yoshi's」より「Protocosmos」
*超絶速弾きギタリストホールズワースを中心とする2006年のセッション。
*ホールズワースはソフトマシーン、UK等のプログレバンドで活躍した他、元マイルスバンドのドラマー、トニー・ウィリアムス(ds)率いるジャズロックバンド「Lifetime」にも参加。
*1946年生まれということで、この年に還暦を迎えています。

[DVD]プリズム「HOMECOMING Vol.3」より「Departure In The Dark」
*2008年収録。ギターは和田アキラ。作曲者の深町純さんは1970年代から活躍するキーボード奏者。
*「Departure In The Dark」 のオリジナル・ヴァージョンは1978年発売の深町純さんのアルバム「On The Move(オン・ザ・ムーブ)」に収録。このアルバムはNY録音で、Michael Brecker(sax)、Randy Brecker(tp)、Anthony Jackson(b)、David Sanborn(sax)、Steve Gad(ds)ら超豪華メンバーが参加している。

[DVD]上原ひろみ「ビヨンド・スタンダード(ツアー・エディション)」付属のボーナス盤より「XYZ」
[DVD]上原ひろみ「スパイラル(ツアー・エディション)」付属のボーナス盤より「Love and Laughter」
*「XYZ」はデビュー盤の1曲目に収録された作品。当初はトリオ演奏だったが、ここでは後に加入したデヴィッド・フュージンスキー(g)が参加。
*フュージンスキーのダブルネック・ギターは上側のネックがフレットレスに改造されています。

[DVD]東京中低域「Tokyo-cyutei-iki Live in London」より「憂レ」「水と生活」「まちがわなさ」
*世界にも類を見ないバリトンサックス・アンサンブルの2006年11月ロンドンでのライブ。
*特別授業第1回ゲスト鈴木広志さん、2006年度のゲスト田中邦和さん参加。

[DVD]音楽ドキュメンタリー映画「Calle 54」(2000年公開)よりミッシェル・カミロ(pf)トリオ、ティト・プエンテ楽団、チューチョ・バルデス(pf)の演奏。
*ミシェル・カミロ・トリオのドラムはキューバ出身のオラシオ・エルナンデス。ベースはアンソニー・ジャクソン。
*ティト・プエンテは2000年に死去。最晩年の映像になります。フルートはDave Valentin。

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