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2010.12.23

平成22年度現代パフォーミングアーツ入門第12回(12月20日)~インドとアフリカ

午前中の「芸術II」は坂手洋二さんが地方公演中のため、俳優で現代人形劇の専門家でもある秋葉ヨリエさんに講師をお願いしました。練習用の人形を持参してくださり、実際に人形を操る体験実習なども。


「現代パ~」は引き続き世界の様々な音楽について。インドの伝統音楽をバックグラウンドに持つ(伝統音楽そのものではありません)ジョン・マクラフリン&ザキール・フセインのプロジェクト「Shakti」(再結成時は「Remember Shakti」や、アフリカン・ポップスの大スター、ユッスー・ンドゥールを中心に。

インドやアフリカに高度かつ多彩な文化が存在するのは自明なことで、たとえばユッスー1人を知ったぐらいでアフリカの音楽についてなにか「わかった」気になるのもまずいでしょう(外国人が日本の文化に対して抱く偏見やステレオタイプなイメージと同種の過ち)。

でもユッスーの素晴らしさを知っただけでも、アフリカの文化に対するrespectが生まれ、興味が広がるはず。そういったことの積み重ねが大事ではないでしょうか。


[DVD]Remember Shakti「The way of beauty」より76年、99年、2004年のライブ映像。
*ジョン・マクラフリン(g)とザキール・フセイン(タブラ)を中心とするバンド。マクラフリン以外のメンバーはインド人。
*76年はシャンカール(vln)を含むオリジナルメンバーのシャクティ(「remember」は付かない)。
*99年はエレクトリック・マンドリンのシュリニヴァスShrinivasが参加。さらにゲストとしてボーカル、サントゥール、スライドギター等が加わる。

[DVD]ジョナス・エルボーグ(b)、ショーン・レーン(g)他「PARIS」より
*2002年発売。ショーン・レーンShawn Laneは2003年に亡くなったので貴重な最晩年の映像ということに。
*インド人ミュージシャン(パーカッション&ボイス)とのセッション。エルボーグは80年代にマクラフリンのバンドに参加していたので、その影響と推察されます。

[DVD]Peter Gabriel「Secret World Live」(92年)より「Across the River」「Shaking the Tree」
*インド人ヴァイオリニスト、シャンカールが参加(ダブルネック・エレキヴァイオリン!)。

[DVD]ユッスー・ンドゥール「ライブ・アット・モントルー1989」より「Macoy」「Fenene」
*アフリカ・セネガル出身のシンガー。80年代にピーター・ガブリエルとのコラボレーションで世界的にブレイク。

[DVD]ユッスー・ンドゥール「The la Rochelle Francololies Festival」より「Shaking the Tree」
*パッケージに明記されていませんがおそらく1995年のライブ。

[LD]「アムネスティ・コンサート・イン・パリ'98」よりピーター・ガブリエル&ユッスー・ンドゥールによる「Shaking the Tree」(5限のみ)
*アムネスティ・インターナショナル主催の98年のライブ。ピーター・ガブリエルは見た目は老けましたが、歌い出すとさすがですね。

[DVD]ユッスー・ンドゥール「ライブ・アット・ユニオン・チャペル」より「New Africa」
*2002年のイギリスでのライブ。

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2010.12.15

平成22年度現代パフォーミングアーツ入門第11回(12月13日)~クラシックと中南米の音楽

中南米音楽の影響を受けた20世紀以降のクラシック音楽、その境界にあるものなど。

[DVD]アストル・ピアソラ「Next Tango」より「バンドネオン協奏曲」
*1985年の収録
*5限の方で授業開始前に流していたのは「ギターとバンドネオンのための二重協奏曲」

[DVD]バレンボイム指揮/ベルリン・フィル「ヴァルトビューネ1998 ラテン・アメリカ・ナイト」よりヒナステラ作曲バレエ音楽「エスタンシア」より「マランボ」
*ヒナステラはアルゼンチンを代表する作曲家。指揮者のバレンボイムもアルゼンチン出身。

[DVD]大萩康司「鐘のなるキューバの風景」よりブローウェル作曲「舞踏礼賛」、ロハス作曲「母に捧げるグアヒーラ」
*2005年発売。キューバ人作品の演奏をキューバで収録。
*ブローウェルは現代のキューバを代表する作曲家(存命)。

[DVD]チョウ・チン(cello)&大萩康司(g)「10弦の響き ライブ」よりR.ニャタリ作曲「チェロとギターのためのソナタ」
*2006年発売。ニャタリは20世紀のブラジル人作曲家。

[DVD]Sergio & Odair Assad and their family「A Moment of Pure Love」よりGismonti作曲「Baiao malandro」、Clarice Assad作曲「Ad lib」
*クラシックギターデュオ、セルジオ(兄)&オダイル(弟)アサドとその家族によるコンサート。
*クラリスはオダイル・アサドの娘(妹ではありませんでした)。

[DVD-R]エグベルト・ジスモンチ(+東フィル)「7つの指輪」「フォホボドー」「アマゾンの密林」「ダンサ・ドス・エスクラボス」、「フレヴォ」(5限のみ)
*2007年7月3日の来日公演で収録されたもの。会場は紀尾井ホール
*フルートのトップは以前授業で演奏していただいた斎藤和志さん。たくさん映ってました。
*ジスモンチは前半(「フォフォボドー」まで)ピアノ、後半ではギターを演奏(アンコールで再びピアノ)。
*「アマゾンの密林」はギターソロ。ギターはいずれも多弦ギターで、スチール弦とナイロン弦を使い分けていました。
*「フォフォボドー」中間部のピアノソロで「Baiao malandro」が演奏されました。

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2010.12.08

平成22年度現代パフォーミングアーツ入門第10回(12月6日)~ブラジルを中心とする南米の音楽

「芸術II」は坂手洋二さんによる講義。地方巡演がスタートした「3分間の女の一生」の話を中心に、日本の伝統的な能舞台の話などを絡めて。授業終了後はそのまま仙台公演に向かわれました。


「現代パ~」はいったん日本を離れて、まずは南米へ。びっくりするようなミュージシャンがたくさん出て来ますが、ほんの氷山の一角です。

[DVD]セザール・カマルゴ・マリアーノ(pf)&ホメロ・ルバンボ(g)「DUO」より「Wave」(3限のみ)、「Samambaia」
*ブラジル人ピアニスト&ギタリストによるデュオ。
*「Wave」はアントニオ・カルロス・ジョビン作曲によるボサノバの代表曲(ただし通常もっと速いテンポで演奏)、「Samambaia」はマリアーノ作曲。「Samambaia」はヨーヨー・マを始め多くのミュージシャンによりカバーされている。
*「ホメロ」はRomeroと綴ります。ポルトガル語では先頭のRがHのような発音になるらしい。

[DVD]ドキュメンタリー映画「タンゴ・イン・ブエノスアイレス」よりフアンホ・ドミンゲス(g)&フリオ・パネ(bandoneon)による「Milonga de Mis Amores」
*現役最高峰のギタリスト&バンドネオン奏者によるデュオ。曲はいわゆる古典タンゴで、アルゼンチンタンゴのスタンダード的なもの。

[DVD]ドキュメンタリー映画「Calle 54」(2000年公開)よりチューチョ・バルデス(pf)の演奏。
*キューバを代表するピアニスト。

[DVD]Richard Galliano & tangaria quartet「Live in Marciac 2006」より「Sertao」「Traditionnel Venezuelien~Gigue De La Suite No.2 En Re Mineur De J.S.Bach」「Chorinho Pra Ele」「Disparada」
*「Chorinho Pra Ele」はガリアーノとHamilton de Holanda(バンドリン)とのデュオによる演奏。作曲はブラジルの鬼才Hermeto Pascoal。
*「Traditionnel~」はAlexis Cardenas(vln)とRafael Mejias(マラカス)のデュオ。二人ともベネズエラ人。
*「Disparada」はHamilton de Holandaによるソロ演奏。オリジナルはGeraldo Vandre。
*ブラジル人の名前の読み方について:ポルトガル語でHは発音されないようで、「アミルトン・ジ・オランダ」「エルメート・パスコアル」のようになります。

[DVD]Hermeto Pascoal / Aline Morena「Chimarrao Com Rapadura」より。
*スタジオの録音風景を収録して編集したようですね。パスコアルの鬼才ぶりがよくわかります。

[DVD]Yamandu Costa「Ao Vivo」(05年)より「Disparrada」、「Sampa」「Chamame」(5限のみ)
*ブラジルの若き天才ギタリスト。ベースThiago Espirito Santoも超絶。3人の一体感も素晴らしい。
*「Sampa」はブラジル人シンガーCaetano Velosoの曲。
*「Chamame」(チャマメまたはシャマメ)とはアルゼンチンやブラジル南部に見られるスタイル(ただしこの曲はヤマンドゥ・コスタのオリジナル)。アコーディオンとのデュオで演奏。

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