2008.02.29

オペラシティ開館10周年記念委嘱作品(作曲:小松亮太)世界初演のソリストに喜多直毅

2月29日、オペラシティ・タケミツメモリアルホールにて。

「アストル・ピアソラ没後15年(2007年)記念」ということで、「幻のオラトリオ《若き民衆》 日本初演」がメイン。しかし前半の小松亮太氏新作初演に喜多さんが出演するというので急遽出かけました。
詳細はこちら

どのような形で出るのか聞いていなかったのだけど、タイトルが「バンドネオン、ヴァイオリン、弦楽器のための2楽章」で、なんと喜多さんはソリスト!

この日のための特別編成オケをバックに堂々たるソロを弾く喜多さんの姿に、感慨深いものがありました。

リンク先でチラシの画像を拡大して見ていただくとわかるのですが、仮タイトルは「バンドネオンとオーケストラのための新作」。作曲していくうちに、かなりギリギリのところでバンドネオンとバイオリンの二重協奏曲に変更になったようです。

本来チラシに喜多さんの写真も入っているべきだったわけですが、当日配布されたパンフにすら喜多さんの名前は見当たらず。それも喜多さんらしいというか・・・

主催者もさすがにまずいと思ったようで、終演後にアンコール曲目と一緒に貼りだされてました↓

Operacity20080229


| | Comments (0)

2008.02.17

2/15 ブラックベルベッツBLACK VELVETS@江戸川区総合文化センター

Blackvelets

昨年度の特別授業で演奏していたただいたサックス奏者田中邦和さんが参加しているムード音楽バンド、ブラックベルベッツのコンサートが、なんと僕の住む江戸川区にある、江戸川区総合文化センター小ホールで行われました。このバンドは普段、都心のバーやライブハウスで演奏しており、ホールでのコンサートは非常に珍しいと思われます。それが我が江戸川区で!江戸川区総合文化センター、グッジョブ!!

コンサート自体も大変素晴らしいものでした。お客さんの大半は地元の方だったと思われますが、皆存分に楽しんでもらえた様子。ブラックベルベッツの音楽性はそういった「大衆性」を目指したものだと思うので、まさに狙い通りでしょう。一方でメンバーの演奏能力も最高、アイディアとユーモアに溢れていて、マニアックなジャズファンでも楽しめちゃうという・・・

舞台美術などの演出がまた素晴らしかったのですが、これはホールのスタッフが独自にやってくださったとのこと。メンバーも大喜びだったようです(終演後、田中邦和さんより伺った話)。

お客さん・出演者・スタッフの三者が共に満足できるコンサートこそ最高のコンサートです。というわけでますます侮れないぞ江戸川区!

4/12「VIOLIN EXPLOSION 2008」@船堀もよろしくお願いします。

| | Comments (0)

2007.11.07

クアトロシエントス ライブレポート(ラティーナ2007年8月号より)

ワールドミュージック系音楽誌ラティーナ8月号に寄稿した、ヴァイオリニスト会田桃子率いるタンゴバンド、クアトロシエントスのライブレポートを転載します。タンゴのエッセンスを取り入れつつ独自のサウンドを展開するSalle Gaveauに対し、クアトロシエントスはタンゴのフォーマットの中でオリジナリティを追求したバンドとして、非常にハイレベルだと思います。次回のライブは11月13日(火)南青山マンダラで、ゲストは前回と同じ堀越彰さん(ds)。

*****

 "小松亮太以降"の世代の台頭が目立つ昨今のタンゴ界。その中でも先頭を走り続けるクアトロシエントスの、恒例となった初夏のライブを6月4日、南青山マンダラで聴いた。

 このバンドの大きな特徴は会田桃子(vln)、北村聡(bn)というタンゴ界の逸材に加え、西嶋徹(b)、林正樹(pf)というジャズ界の若手トップ奏者をメンバーに据えたことにある。今回はさらに、一昨年以来2度目の共演となるドラマー堀越彰がゲスト。筆者が2001年頃見た深町純(pf)、渡辺剛(vln)と堀越のトリオによるライブは「ピアソラ作品と即興演奏の融合」というアプローチにおいて画期的な成功を収めたもので、「タンゴにおいて打楽器が効果的な役割を果たすことは難しい」という先入観を覆された。堀越は林のカルテットSTEWMAHNに西嶋と共に参加しているだけでなく、かつて山下洋輔のグループで堀越と共演した人気サックス奏者菊地成孔のバンド「ペペ・トルメント・アスカラール」に現在は北村が参加しているという縁もある。こうした結びつきは単なる偶然というより、異ジャンルのコラボレーションによって活気付く東京の音楽シーン全体を象徴しているように思えてならない。クアトロシエントスもまた、確実にその最先端の一角を占めているのだ。

 とはいえ彼らは、基本的にはタンゴバンドとしてのアイデンティティを崩さない。1曲目の会田作曲「森のホール」に続き「ラ・クンパルシータ」も会田のオリジナル編曲だが、これらは奇を衒うことなくタンゴの本質をしっかり押さえたものだ。堀越が加わった「鯖」(林作曲)~「悪魔のロマンス」~「鮫」~「人吉森のブルース」(林作曲)が前半のハイライト。林のオリジナルは自身もメンバーであるアヴァンギャルド・タンゴバンドSalle Gaveau(サルガヴォ)の楽曲に通じる独創性を備えつつ、そこにピアソラが挟まれても違和感がない。他方「あなたと朝ご飯」「私の希望のすべて」といった会田のオリジナルはロマンチックな作風で、ここでは彼女のヴァイオリンの音色とフレージングが冴える。なによりこれだけのメンバーを率いるリーダーとしての力強さが印象的で、ここ最近の成長ぶりを感じずにはいられない。

 後半は林の叙情的なソロに導かれる「悲しみの中の狂気」(会田作曲)から始まり、2曲目の「リベルタンゴ」(林編曲)で一気に熱を帯びた。「ペペ~」で菊地成孔と渡り合う北村のアドリブ・ソロはこの日も絶好調。前半で見せたタンゴ・アンサンブルとしての緻密さはある種の"硬さ"にも通じるのだったが、次第にジャズ的な"しなやかさ"が加わってくる。軽快なミロンガ「カルカッタ」(林作曲)のユーモラスな楽しさ、アンコールの「アレグロ・タンガービレ」で見せた鳥肌の立つような疾走感など、このバンドの真骨頂を堪能した。

 全20曲中、実に12曲がメンバーのオリジナルで、残りの曲もすべてオリジナルアレンジ。だがもはやオリジナリティをことさらに強調する必要は無く、その質こそが評価されるべき段階に来ている。
(徳永伸一郎)

*****

少々補足しておきます。文中に出てくる深町純、渡辺剛、堀越彰のトリオはその後「The Will」という名称で活動しCDも出ていますが、元々は舘形比呂一ソロ・ダンスパフォーマンス「白鳥の歌」(2001年)の伴奏を務めたメンバーです。当時の演奏スタイルは「The Will」とは違い、即興性の強いものでした。「The Will」にもピアソラの「エスクアロ」が入っているのですが、これも当時の演奏とはかなり異質なものです。

| | Comments (0)

2006.12.07

100%天然、混じり気無しの おおたか静流

100%天然、混じり気無しの おおたか静流

オペラシティ近江楽堂にて、おおたか静流ソロアカペラライブ。PA無しの完全生声。

これぞ「究極の音楽」ではなかろうか。

| | Comments (0)

2006.12.02

山口ともさんの「ドラムセット」

山口ともさんの「ドラムセット」

1日、大泉学園インエフにて。田中邦和、佐藤芳明とのセッション。

子供の頃を思い出そう。誰しも、箸で茶碗を叩きたくなったことがあるはずだ。

その時、叱られなかったら…末は天才ドラマーだったかも。

| | Comments (0)

2006.11.12

ギターの神様にはヤマンドゥ・コスタという息子がいました

ギターの神様にはヤマンドゥ・コスタという息子がいました

横浜より久々の写真付き投稿。新宿HMVのインストアライブでノックアウトされたので横浜新星堂まで追っ掛けしてしまいました。

演奏中は撮影禁止だったので、写真は終演後のショット。移動して2ステージというのは疲れそうだけど、今日は始終ご機嫌でカメラを向けるとご覧の表情。

16日に渋谷タワーレコードでもインストアライブあり。東京公演は17・18日。

続く

とりあえず昨年来日時の記事へリンク→こちら

| | Comments (0)

2006.10.29

JAZZ TODAY 2006とVINCENT ATOMICUS

24-28日の記録。

24日
■Jazz Today Presents“中島ノブユキ/中村真”@六本木スウィートベイジル139

8時開演と間違えて(実際は7時半)中村真さんのトリオは最後の方しか聴けず。
中島ノブユキさんのバンドは弦楽カルテットとバンドネオンが入った室内楽ジャズ。バンドネオンの北村聡さんかっこいいいね。

僕の理解が正しければ、彼のやっていることは、少なくとも日本人バンドネオン奏者として前人未到の領域なんだけど。タンゴ界の人はジャズのことをよく知らないし、ジャズ界の人はバンドネオンのことをよく知らないから、十分認識されてないんじゃないか?


25日
■Jazz Today Presents“BOZO/橋本一子Ub-X”@六本木スウィートベイジル139

橋本一子さん、相変わらず美しい。演奏もボーカルもかっこいい。ベース井野信義さん渋い。両者のコンビネーションを、敢えて「壊す」かのようなドラム。うーむこのコンセプトは微妙。ドラムに近い席だったので生音が届いてバランスが悪かったというのもあるけど。 僕がきちんと理解できていないだけなのかどうか。

28日
■Special Others, Vincent Atomicus@外苑前・月見ル君想フ

お店の2周年記2days初日。Special Othersはジャムバンド系の若いバンド。なかなか面白いセンス。けっこう引き込まれるところがあった。ただメインディッシュにするにはちょっと軽いけど。とはいえ、インストシーンが盛り上がっている(彼らはビクターからメジャーデビューするらしい)のは嬉しい。

Vincentは9月1日のライブがすごく良かったので期待も大きかったけど、それを裏切らない演奏。月見ル~に来たのは初めて。もう少し大きいハコを想像してた。1Fだけだと新ピより狭いのでは?このサイズでVincentのライブって貴重だ。がっつりかぶりつき、ヴァイオリン太田さんの前あたりで。

太田さん、開演前にご挨拶したら「今日はこじんまりと」なんて言ってたけど、ソロでは燃えてました~

誤解を恐れずに言えば、ROVOのツインドラムをさらに発展させたようなコンセプト。かなり初期の頃から見てるけど、最近よりいっそう面白くなってきた。ROVOファンはメンツを見て(勝井祐二さんも入ってるし)気になってると思うけど、こっちも絶対気に入ると思うぞ。

このバンドも、キップハンラハン一派あたりと比較したがる人がいるんだろうなあ。ツインドラムを前面に出すスタイルはそりゃエルネグロ&ロビーを連想させる。しかしエルネグロ&ロビーをブルーノートでかぶりつきで見た経験も含めて言わせてもらうと、ライブの快感は甲乙付け難いし、トータルなアイディアではVINCENTの方が面白いんじゃないかと思う。

ツインヴァイオリン+ツイントロンボーンというユニークな組合せ。トロンボーンの青木タイセイさんはマルチ奏者で鍵盤楽器や笛も操るし、マリンバの高良久美子さんがパーカッションも担当できるのでサウンドの幅は広い。実はかなり合理的かつ理想的な編成かも。これからますます目が離せない。次回は12月15日に新宿ピットインでワンマンライブ。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2006.10.21

林正樹STEWMAHNという東京ジャズシーン最前線

20日、林正樹STEWMAHN@江古田バディ

よかったよかった。なにがよかったかというと、こういうバンドを知らずして、「東京のジャズシーン」とかいって偉そうに語らなくてよかった。7月以来2度目のライブ鑑賞。なんと今年のライブはこの2本のみだって。もっとやって欲しいけど、メンバー全員、多忙を極める売れっ子ミュージシャンなので仕方ない。この日はJJazz.Net放送用に収録されていたのだけど、そのままライブ盤にしてもいいんじゃないの?という完成度。

曲は1曲を除いて林正樹オリジナルで、「林正樹カルテット」というカラーが鮮明に。サックス他Andy Bevan、ベース西嶋徹、ドラム堀越彰というテクニック、柔軟性ともに申し分ないメンバー。序盤でややPAバランスが気になったけど、途中で修正したのかな?耳が慣れただけかもしれないけど。中盤以降は問題なし。ガッチリ噛み合ったアンサンブルとインタープレイを堪能。

元山下洋輔カルテットという実績はもちろん、純邦楽の影響も受けたらしい(父親が日舞関係の方だとか)堀越さんのしなやかでユニークなドラミング。ソプラノサックスを中心に、ディジュリジュやオリジナル楽器ハーモニックフルートまで操るオーストラリア出身のAndyさん。ベースの西嶋さんは幼少の頃からヴァイオリンをやっていたというだけあって、アルコ(弓弾き)も素晴らしく上手い。

これらを活かしきる林さんの作曲センス。もちろんピアニストとしての実力も抜群。リリカルなプレイからアグレッシヴなプレイまで非常に幅広い。移行がスムーズ。突然暴れだすんじゃなくて、「いつのまにかヘンタイ」に。おそらく林さんにとっては、ちょっとした「遊び心」の延長なのだ。

まさにこの4人でしか、東京でしか生まれ得なかったジャズだろう。林さんが参加する他のバンド、ユニットで聴いたことのある曲も、しっかり「STEWMAHNのサウンド」になっている。

ちなみに、いーぐる特集のとき「ライブを選ぶコツはまず好きなドラマーを見つけること。良いドラマーのライブにハズレは少ない」という意味のことを言ったのだけど、堀越さんも僕にとって「ハズレのない」ドラマーの一人。林さんについては「先物買いをしたい人は林正樹をチェックすべし」と言った手前、ハズしてもらっちゃ困るのだけど(笑)、杞憂のようです。

| | Comments (0)

2006.10.19

即興2days

16日&17日の記録。すべて即興、譜面に書かれた音楽は一切なし。

16日
下北沢レディジェーンへ。この日もいろいろ重なって悩ましかったけどなあ。

チェロのトリスタン・ホンジンガーさんを中心とする即興セッション。第1部の最後の方に着いたら、かなりテンションが高い。出演者4人が、ほぼ全員弾きまくり状態。

うーん聖徳太子ではないし4人の音を同時には聴けんぞ・・・「全体」を聴こうとすると騒音みたいに感じられてしまうから、どこかにポイントを絞って聴くしかないと思うのだけど。最初から展開を追っていればまた違うのだろうけど、いきなりこういう状態だと厳しいな。

第2部はピアノ千野秀一さんとギター近藤秀秋さんのデュオから。これは良かった。千野さんも近藤さんも速いフレーズをガンガン繰り出すけど、ちゃんとメロディが繋がっているしインタープレイがよくわかる。わかりやすけりゃいいってもんじゃないだろうけど、やっぱ聴いてて心地良いよ。

続いてホンジンガーさんとヴォイス他のウォン・ジクスさんのデュオにスイッチ。その後はお祭り騒ぎ。やたらお客さんのノリもいい。いいことかどうかは別にして、即興系のライブでこんなに盛り上がるのも珍しい。ホンジンガーさんも楽しそう。これはこれで、面白いものが観られて良かったという気はする。

しかし随所に見られるホンジンガーさんの確かなテクニック。スーパーデラックスで見た向島ゆり子さんとのデュオも良かっただけに、千野さんや近藤さんとがっぷり組んだデュオも見てみたかったな。

17日
この日も聴きたいものがいろいろ。しかしレポートの採点をひたすらやってたらかなり遅くなり、(市川からは)比較的近場の稲毛キャンディへ。ジャンニ・ジェビア(イタリアのサックス奏者)&翠川敬基(チェロ)。

それぞれのソロの後、デュオをやったのだけど、ジェビアさんの楽器のコントロールが凄まじい。チェロと生音でやってバランス完璧。チェロは無理に鳴らそうとしないし、サックスも無理に抑えている感じが全然しない。「特殊奏法」を駆使しつつも、特殊なことをやっているとは感じさせないテクニック。素晴らしい。

アンコールがまた良かったな。いきなり超ハイトーン。これも悲鳴みたいな音じゃなくて、あくまで音楽的に響く。うーん即興の世界はまだまだ底知れないな。

キャンディも良い店でした。帰りが上り電車だからゆったり座れるのは助かる。また行こう。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2006.10.17

黒田京子+喜多直毅による「赤とんぼの主題による変奏曲」

8月下旬から長らくサボっていたライブレポート再開します。この間特によかったもの、印象的だったものをリストだけ。

8月25日鈴木大介+ブランドン・ロス+ツトム・タケイシ@白寿ホール
9月1日VINCENT ATMICUS@渋谷O-East
9月6日黒田京子+太田恵資@シネマアートン下北沢(銀幕ランドスケープ)
9月11日今堀恒雄unbeltipoソロ@下北沢レディジェーン
9月17日中野薫+柴田杏里@オペラシティ近江楽堂
9月21日林正樹+喜多直毅、黒田京子+平野公崇@門仲天井ホール(くりくら音楽会)
9月22日田中邦和+富樫春生+吉見征樹@大泉学園inF
9月24日Sembello@GARB pintino(MOODSTOCK)
9月25日青木菜穂子+喜多直毅@大泉学園inF
10月5日サキソフォビア、黒田京子トリオ@大泉学園ゆめりあホール

こんなにあったのにサボるなって話ですよね・・・ちなみにmixiの日記にはちょこちょこ書いてますので興味のある方は検索してみてください。それぞれごく断片的ではありますが。それにしても9月は充実してたな、と改めて思いますね。

さて気を取り直して。


10月14日、学園祭を覗いた後、下北沢レディジェーンへ。喜多直毅(vln)&黒田京子DUO。

8時を少し回った頃に着いたのだけど、演奏は始まっていた。「あれ、聴いたことない曲?」と思ったら即興だったらしい。フリーに展開したところから聴いて「即興かな?」と思ったら最後テーマに戻って実は曲でした、ということはけっこうあるんだけど逆は珍しいな。ライブ冒頭だし久しぶりの黒田さんとのデュオということで、喜多氏が「暴走」を自粛したということもあるのかも。緊張感があっていいなあ。

ヴァイオリンはずっとブリッジにミュートを装着したまま演奏。休憩時間に「バランスどうだった?」と尋ねられたけど問題なし。言われなければ気付かない。黒田さんも「ミュートつけてあの音量?」と驚いている。楽器がよく鳴っているということももちろんなのだけど、ミュート付きであれほど音色に幅を持たせられるのはさすがだなあ。

喜多新曲「泥の河」、本人自ら「暗い曲」と言っていたけどこの暗さは嫌いじゃない。本当はビオラで弾きたいらしい。500万円くらいするらしいですが誰か彼に買ってあげませんか。おれも住宅ローンさえなければ・・・うそうそ。CDが1万枚くらい売れりゃ済む話ではあるが。常々「儲けは山分けだ!」と言っているのだけど、そういう「投資」なら乗ってもいいな。いや儲けるのが先だけど。

斎藤徹さんの「唯一の明るい曲」という「風の踊り」は前からやっているけど、デュオのときしかやらないので久しぶりに聴けて嬉しい。ピアソラの「オブリビオン」も久しぶり。「HYPERTANGO2」を作るとき、「黒田さんとのデュオで」と指定してリクエストした曲なのだ。

アンコールの曲は用意されていなかった。一般のコンサートではアンコールというのは儀礼的に必ず行うものだと思われているけど、このようなライブハウスではそうではなく、実際にアンコールがないこともよくある。またアンコールがないからといって演奏が良くなかったというわけでもなく、終演時刻がある程度遅くて「もうおなか一杯、ごちそうさまでした」という雰囲気になるとそのまま終わることも多い。この日の僕の気分はそれに近かったのだけど、拍手は鳴り止まなかった。MCが少なめ(喜多さん、黒田さんと一緒のときはさすがに延々と心霊話などしない)だったので時間にも余裕があり、喜多さんの即興ソロでアンコールスタート。

途中から黒田さんが加わって白熱し、そろそろ終わるかな、というとき不意に黒田さんが「赤とんぼ」のメロディを。これに喜多氏が反応。うわまたノってきちゃったよ。いまさらながらよくそんだけ引き出しがあるね、と感心するほど多様な「赤とんぼ」の変奏と即興が展開される。考えたら赤とんぼのメロディって終止感が無くて、「もう1回」ってやりたくなるようにできてるのね。恐るべし赤とんぼ。恐るべし喜多直毅&黒田京子。

最後は「もーいいかい」「まーだだよ」とというメロディがヴァイオリンのフラジオでこだまして、やっと終了。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

より以前の記事一覧