2006.05.05

やっぱり観てよかった「ホテル・ルワンダ」

やっぱり観てよかった「ホテル・ルワンダ」

こちらは5日。上映館が少ないのだけど、非常に評判が良いようで、レイトショーなどで上映が続いている。ネットのMovieWalkerで調べてこの日が最終日の津田沼へ。

詳しい話は後回し。これはやはり無理してでも見に行く価値のある映画でした。敢えて不謹慎な言い方をすれば、めちゃめちゃ面白い!

相次ぐ困難に立ち向かう主人公の英知と家族愛。最後までまったく飽きさせない。

予備知識は特にいらないと思う。ただ、見終わった後でパンフレットをじっくり読みたい、と思ったら御覧の通り売り切れ。皆考えることは同じだな。
続く


続き。というか後から思ったことをつれづれに。

「予備知識はいらない」はやや語弊があるか。アフリカにおける植民地支配の大雑把な歴史は「常識」ってことで。しかし20代の9割が東京裁判を知らない、とかいう調査結果も出たそうで、どこまでが常識なんだか。自分の場合、その辺は一応学校で教わった記憶があるんだけど、最近はどうなんだろ。

まーいずれにしても最近はネットですぐ情報を集められるのがありがたい。映画ではよくわからないフツ族とツチ族の対立の経緯。ほとんど「悪者」として描かれるフツ族が実は以前は抑圧される側だったことなど。

主人公ポール・ルセサバキナ氏本人の講演録などもネット上で発見。映画は事実に基づいているとはいえ、事実と異なる点もけっこうあるらしい。もちろん映画としての脚色もあるだろうけど、ストーリーの展開に必然性があるから違和感なく引き込まれる。

映画のセリフはすべて英語。現地人どうしも英語で喋っているが、これは現実にはあり得ないだろう。ところが「戦場のピアニスト」でポーランド人が英語を喋りだした瞬間に冷めてしまった僕が、なぜかこの映画では気にならなかった。ポールは優秀なホテルマンだから外国人と流暢な英語で会話するのは当然であること、またアフリカでは植民地支配の関係で英語が公用語に含まれる国もあったはず、というおぼろげな知識(これは当たっていて、ルワンダの公用語はルワンダ語と英語・仏語)があったことなどからか?よくわからない。冷静に考えれば公用語だからといって現地人どうしで使われることはないだろうけど、そんなことを考える暇を与えないほどテンポがよかったということなのかな。

それにしても、他の多くの方と同じく、自分がこの虐殺事件をまったく知らなかったという事実に愕然とする思い。大統領を乗せた飛行機が墜落、というニュースが辛うじて記憶にあるぐらいだな。


軽くネタバレ。
一番心に残っているのは、ポールが風呂場に隠れた家族を発見するシーンです。

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2006.03.12

Touch The Sound@渋谷ユーロスペース

仙道さおりさんのパーカッションにしびれたから、というわけでもないのだけど、夜は表題の映画を観に渋谷へ。パーカッション奏者エブリン・グレーニーが主人公のドキュメンタリーです。

続くvfsh0050.JPG

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2006.02.05

後期試験が終わったら「イノセント・ボイス」はとりあえず観とこう

シネスイッチ銀座にて、2月一杯はやってるそうなので。
続くvfsh0032.JPG

続き。
今日はまず、北村想脚本・劇団青い鳥『もろびとこぞりて ver.2,3』を観に表参道のスパイラルホールへ。

『もろびとこぞりて』はかつて想さんが主宰した劇団プロジェクトナビ(現在は解散)で上演された作品だが、今回のは改訂版ではなく、全面的に書き直された新作。想さんの新作が東京で観られるなんて、それだけで嬉しい。

喜多直毅「HYPERTANGO II」を制作したとき、ライナーノートは「評論家」なんかじゃなく、物書きとして一流の人に書いてもらいたかったので想さんにお願いした。ライナーノートも一つの「作品」であるべきと思うからだ。「HYPERTANGO II」の楽曲は今ではダウンロード販売で1500円ほどで買えるけど、1000円ほどのCDとの差額は茂本ヒデキチさんのイラスト(内側にもあり!)と想さんのライナーノートの分だと思ってもらえればいい。

今回の芝居については万人受けするような内容ではないものの、想さんらしいウィットと芝居への愛情が満ち溢れた作品。派手なカタルシスがあるわけではないけれど、じんわりココロに響くラスト。


観終わったらまだ4時前ということで、映画「イノセント・ボイス」を観に銀座へ。前から気になっていたところに、ギタリスト坪川真理子さんが御自分のサイトのBBSに書かれた感想がダメ押し。こりゃ観とかないとまずいな、と。

先日大友良英さんにインタビューした際、「中南米の文化は素晴らしいよねえ」という話で盛り上がったことを思い出す。ここに突きつけられる、もう一つの中南米の現実。舞台はエルサルバドル。

以下ちょっとネタバレ(観る前に読んでも問題ない程度に抑えるつもりですが)。

ギターケースをかかえてやってくる反政府ゲリラ。昭和天皇が亡くなる前、ギターケースを持って皇居付近を歩いていたら警察官に開けて見せろと言われたという冗談みたいなほんとの話があるが、このケースにも武器は入っていなかった。銃弾の雨のなか、ゲリラはギターを爪弾きプロテストソングを歌う。

いかにも何ヶ月も同じ弦を張りっぱなし、という感じのボヤけたギターの音色がいいんですな。チューニングも微妙に狂っていたり。コード進行がなんかシャレた感じで、さすが中南米。

主人公の少年は生き残るが、これはネタバレではない。彼自身が語り手なのだから、生き残ることに必然性がある。よくハリウッドのアクション大作で、かっこいいヒーローが間一髪の危機を何度も乗り越えてハッピーエンド、みたいなのがあるけど、ああいうのを観るたび、

おまえ、運が良かっただけじゃん

とツッコミを入れたくなるのはワタシだけでしょーか。いくら「奇跡的」な出来事でも、しょせん作り話なんだからどーにでもなるよなあ、とつい冷めた見方をしてしまう。

イノセントボイスは、死と隣り合わせの日常が現実にあったという話。「奇跡」は少年が生き残ったことではなくて、たまたま生き残る方に入った彼が脚本家としての才能に恵まれていたことだろう。事実を描いているから重みがあるということもあるけど、脚本がすごくよくできていると思う。ラテン的な明るさを持ったシーンが随所に織り込まれていて、コントラストが鮮やか。流れがとても自然だ。

音楽はちょっと残念。終盤の悲惨なシーンで「いかにも」てな感じの曲が流れる。監督のルイス・マンドーキはハリウッドで成功した後母国メキシコに戻って本当に撮りたい映画を撮り始めたらしいけど、そんなところに「ハリウッドスタイル」を取り入れなくてもよかったのになあ。プロテストソングの美しさ・力強さが印象的だっただけに、余計にそう思う。

【追記】
ひとつ書き忘れてました。パンフレットの解説、あれはなんとかならないものか。

ストーリーと重要シーンの描写が8割以上。映画を観てない人への説明なら、それもありかもしれませんよ(ネタバレの問題は別にして)。でもパンフは映画を観た後に読むものでしょーが。わざわざ説明してくれなくてもわかってるんですけど!そもそも あらすじ は別に書いてあるので重複も多い。

「現代パフォーミングアーツ入門」では毎回の授業後にレポートを提出してもらってますが、「鑑賞体験を共有しているのが前提なのだから、観れば(聴けば)誰でもわかるような客観的事実を並べて字数を稼ぐのはダメ」と最初に釘を刺します。独自の視点を提示してくれないと。これは文章の基本だと思うんだけどなあ。

プロの方には是非、お手本を見せて欲しいものです。

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2005.08.15

終戦記念日と映画「ヒトラー 最期の12日間」と芝居「だるまさんがころんだ」

このblogでは政治的な発言は極力避けるつもりなのだけど、考える材料ぐらい示しとこう。

各新聞の社説を手軽に読み比べたりできるのはインターネット時代なればこそ。産経新聞社のサイトにまずアクセスし、左上の「社説など」→「主張(社説)」をクリックしましょう。このページから他の全国紙(朝日・読売・毎日・日経)の社説のページへリンクが張られており、非常に便利です。

それと直接は関係ないのですが、公開中の映画「ヒトラー 最期の12日間」は必見です。同名の原作本も出版されていますが、訳者は東京医科歯科大学教養部の(すなわち僕の同僚の)鈴木直教授です

【追記】戦争もの繋がりということで、31日まで下北沢スズナリで上演中の燐光群「だるまさんがころんだ」にも注目を。忘れちゃいけないイラク問題。選挙も近いし。

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2005.03.14

大友良英と浜田真理子による「カナリア」をレディジェーン30周年記念祭で聴いて、次の日に映画「カナリア」を観るという素敵な週末

まず12日。
昼の3時から池袋の東京芸術劇場に、北九州の劇団「飛ぶ劇場」の「Red Room Radio」を観に行く。

かなり期待が大きかったこともあるが、率直に言ってやや肩透かしをくらった感がある。この劇団の作品はこれ以前に3本観ているが、現実にはあり得ないような話を丁寧に描いて不思議なリアリティを醸し出していたところ、途中に挟まれる幻想的なシーンが美しくて、リアルな芝居とのバランスが絶妙なところなどが非常に気に入っていた。今回は久々に観たからなのか、随分作風が変化していると感じた。陰惨なシーンが多いのはいいのだけれど、どこかで観たような陰惨さ。松尾スズキあたりを連想する人は多いと思うのだけど、松尾スズキほど突き抜けた感じはない。

だが好意的に捉えれば、作風の幅広さは作者の力量でもある。「へーこんな芝居もやるんだ」という新鮮さもあったし、初めて見る役者の中にも光るものを感じる人が複数いた。今後も注目していきたい劇団であることに変わりは無い。次回本公演は過去に見損なった「IRON」の再演だそうで、初演の評判が良かったようだからかなり楽しみだ。

夜はベニサンピットのレディジェーン30周年記念祭へ。

大友良英(ギター&ターンテーブル)+浜田真理子(ピアノ弾き語り)、伊藤多喜男バンド(ドラムは村上ポンタ秀一!)によるライブ+立食パーティという構成。チケット代7500円というのは一見高そうだけど、飲食代込みでお土産にオリジナルラベルのワインも付くという大盤振る舞いで、申し訳ない気持ちになってしまうほど。

大友さんと浜田さんの共演は、ステージでは初めてだというから貴重な体験だった。ピアノ弾き語りに絡む大友さんのギターが刺激的で、かつ美しかった。偶然(だそうです)にもこの日封切だった映画「カナリア」の主題歌(作詞浜田真理子・作曲大友良英)などを演奏。

浜田真理子さんは島根在住のシンガーソングライターで、インディーズから出したCDが数万枚の売り上げを記録して話題になった。テレビ番組「情熱大陸」で紹介されたときにはもう知る人ぞ知る存在になっていたのである。ロック系なんかだとインディーズでバカ売れしてメジャーデビュー、なんて話は珍しくないけど、それはたいてい頻繁にライブをやってファンを増やしたケース。浜田さんの場合は、たまに東京に出てきて歌うだけ。多くの人は顔も知らず、純粋に音楽に惹かれてCDを買ったのである。僕も含めインディーズでCD制作に携わる人間というのは「いい音楽は口コミで売れるはず」と信じたいのだが、現実はそう甘くない。やはりマスメディアの力、特にテレビの力が圧倒的なのだ(余談になるが、ホリエモンって個人的にあまり好感は持てないけどインターネットを放送メディアと結びつけることによって威力を増そうとする戦略はまったく正しいと思う)。浜田さんの成功は僕らにとって一つの希望だ。

なお、浜田さんのケースでは「口コミ」において大きな役割を果たしたのがレディジェーンのオーナー大木さんです。大友さんもレディジェーンでCDがかかっているのを聴いて知ったそうだし。

13日昼は駒場アゴラ劇場で五反田団「キャベツの類」を。一言で表すなら「笑える不条理劇」。いやあ、よく笑った。前作「いやむしろ忘れて草」がかなりシリアスな、しんみりとした話だったのと対照的。この人も芸風が広い。今回もラストは多少しんみりとするけど、そこに至るまでが…。役者もみんないい味出してるなあ。

さて夜はどうしよう、と思案したところ、前日の余韻もあって映画「カナリア」が無性に観たくなった。渋谷アミューズCQNへ。

これが大当たり。主演の石田法嗣と谷村美月が素晴らしい。二人とも目に力があって、口から出るセリフ以上に多弁だ。りょう、西島秀俊、甲田美也子ら脇を固める役者も良い。

オウム真理教(映画では「ニルヴァーナ」)の事件は題材として重要なのだけど、「オウムの映画」というレッテルを貼られたら不幸である。映画自体もだけど、勘違いして見そびれる人が不幸。

これは一種のロードムービーであり、少年と少女の成長の物語。家族という共同体の再生の物語。なんかカッコイイんだよな。特にラストはちょっとゾクっとするほどのカッコよさ。エンディングテーマを歌うZAZEN BOYSの向井秀徳はどちらかというと苦手なタイプなんだけど、この映画には「これしかない」と思えるくらいハマっていた。ファンは当然必見ですね。セカチューのラストで大いに脱力した僕に共感してくれる人も是非見てちょうだい。

現代のニッポンで、ウソ臭くないロードムービーを成立させるためには、オウム事件という「現実離れした現実」が設定として必要だったのかも(本来の意図はそうでなかったにせよ)。だってそうでしょう、娯楽的な旅行や単なる家出じゃ「旅すること」についての切実さが感じられない。

ちなみに地下鉄サリン事件について谷村美月は「知らなかった」、石田法嗣も「テレビで過去の事件として取り上げられたのを見て知っていただけ」だそうである。あれから10年も経ったんですね。。。

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2004.04.03

4月4日のNHKスペシャル

私事ですが1日に晴れて国家公務員ではなくなりました。そんなことはどうでもいいのだけど、明日のNスペ

「21世紀 日本の課題 シリーズ 医師を問う 第1回」

でうちの大学の取り組みが紹介されます。NHK総合で夜9時から。2月のボストン出張が取材されたので、僕も隅のほうにチラっと映っているかもしれません。

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