遅ればせながら、輸入盤規制に関わる著作権法改定問題について僕なりに総括しておきます
前回の記事から早1ヶ月弱。法案は6月2日に原案通り可決されました(概要はこちらを)。今さらだけどコメントしときます。
高橋健太郎さんらの多大な尽力には頭が下がります。僕なんか反対署名しただけで結局なんにも行動してないという後ろめたさはある。正直、偉そうなこと言うのは気が引けます。
それでも、僕が今もずっと感じ続けている違和感については述べておきたい。これは高橋健太郎さんが以前コラムに書かれていた内容にも通じると思うのだけど。
そもそも、輸入盤が規制されたらそんなに困るのか?僕は大して困らない。ありえないけど、たとえ輸入盤が一切買えなくなったとしても。素晴らしい日本人ミュージシャンたちによる(もちろん世界に通用する)音楽は山のようにあって、それらを探求するだけで人生はまったく退屈する暇がないだろう。
だからといって「輸入盤が規制されても構わない」というわけではないですよ。現に肩書き晒してまで反対署名したわけだし。強調したいのは「(一部の)輸入盤が買えなくなるかもしれない」ことは一つの側面でしかなく、それが問題のすべてではないということ。
そしてもうひとつ。これがもっとも重要なことだけど。
音楽は法律によって殺されたりはしない。
音楽を殺せるのは「消費者」だけだ。
政治や法律によって音楽が殺せるとしたら、ときおり来日する、それまで名前すら聞いたことがなかったのにとんでもなく過激でゴキゲンな音楽を聴かせてくれる旧共産圏出身ミュージシャンの存在をどう説明したらいいのか。彼らは厳しい社会状況下で様々な制約を受けながらそのユニークな音楽を育んできたはずだ。
音楽は、それを強く欲するリスナーが極端に少なくなった場合にのみ、静かに死んでいく。多くの場合それは正常なな淘汰だけど、そうでないケースもある。そんな例をいくつか見てきた。
どんなに規制されようと、その音楽を心から聴きたいと願う人がいる限り、なんらかの方法で入手は可能だろう。
「消費者」の姿勢が問われるのは、まさにこれからなのだ。
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